2015/12/11発行 ジャピオン843号掲載記事

スペシャリストに聞く

離婚に関連した書類

今月のテーマ:離婚

文化、習慣、法律も違う海外で暮らす上で頼りになるのはスペシャリスト。日常生活を送る上で必要となる、また気になるテーマについて、さまざまなジャンルのスペシャリストたちに話を聞く。

離婚の際の財産の分配に関して一般的なルールはあるのだろうか。また、共有財産、婚前合意書、離別合意書、別居手当などの、離婚手続きの際に出てくる用語について専門家に聞いた。


離婚の際の財産の分け方に関するルールはありますか?

 財産の分配に関して双方が話し合い、合意ができれば良いですが、できない場合は裁判に判断を委ねます。

 財産の分け方に関して法的なルールはなく、個々のケースに応じて裁判所が判断するため時間がかかります。


離婚の際の財産分配をファイルするための申請フォームは?

 「StatementofNet Worth」というフォームに記入して裁判所に提出します。
 このフォームには家族のデータ、収入、支出、資産、負債などについて記入しなければなりません。資産については、それをいつ、いくらで取得して、現在の価値はいくらか、負債の場合は、いつから負債を抱えるようになり、現在負債の総額はいくらかなどまで、詳細に記載する必要があります。


財産分配を決める際に考慮されるのはどんなことがありますか?

 一般的に、その財産を取得したのは結婚前か結婚後か、ということが考慮されます。ただし、結婚前に取得したから自分一人の財産であるというような単純なものではなく、公正さという観点から総合的に判断されます。

 例えば、あなたが結婚前にあまり価値のない不動産を取得していたとします。ところが、結婚後、配偶者がその不動産の修理を行ったために価値が上がったというような場合、その不動産に対する配偶者の権利が考慮されるでしょう。


資産を「共有財産(joint property)」にしている場合は、2分の1ずつ取得する権利がありますか?

 共有財産とする理由は、節税、遺言検認などさまざまです。購入資金をあなたが1000万ドル、配偶者は3セントしか出していなくても、共有財産とすることができます。しかし、共有財産は、離婚の際に自動的に2分の1ずつ分配される財産ということではありません。当事者が合意すれば同額ずつ分けることは可能ですが、合意に至らない場合は裁判所で争うことになります。いつその財産を取得し、誰がいくら購入資金を出したかといったことが考慮されます。


「婚前合意書(pre- nuptial agreement)」とは何ですか?

 「婚前合意書」とは結婚する前に作成する契約書のことで、「この物件は結婚前に私が取得したので、私の財産である」というように、それぞれの財産の権利などについて記載します。ただし、子供の親権などについては記載することはできません。

 「婚前合意書」は契約書なので法的に効力がありますが、記載されている権利を巡って裁判で争うことは可能です。正当な理由があれば、裁判によって権利が認められる場合もあります。


「離別合意書(sepa- ration agreement)」とは?

 結婚生活を続ける理由がなくなった場合に、離婚を前提として作成する書類が「離別合意書」です。離婚を考えるようになったら、「離別合意書」を作成することをおすすめします。


では、「別居手当(ali- mony/separate maintenance)」とは?

 離婚後、離婚した相手に自分への経済的なサポートを求めることで、あまり一般的ではありません。

 子供の養育費などは法的に定められていますが、自分に対するサポートを離婚相手に求めることは、かなり大きな理由がないと認められないでしょう。

〈おことわり〉
 当弁護士事務所は記事内容に関して一切の責任を負いかねます。詳細は各専門の弁護士にご相談ください。


スクリーンショット 2015-12-10 18.10.47

スティーブン・W・エプステイン弁護士

ブランディーズ大学、ニューヨーク・ロー・スクール卒。弁護士組合員として幅広い分野の訴訟を担当した後、2004年独立し、Steven W. Epstein & Associatesを設立。ニューヨーク市行政裁判所の非常勤裁判官も勤める。

Steven W. Epstein & Associates

TEL
212-729-9164
MAIL
epsteinlaw@yahoo.com
WEB
http://www.stevenepsteinlaw.com
MAP
207 E. 94th St., Suite 303 (bet. 3rd & 2nd Aves.)

バックナンバー

NYジャピオン 1分動画