2015/11/13発行 ジャピオン839号掲載記事

スペシャリストに聞く

②申請の注意点

今月のテーマ:H1Bビザ

文化、習慣、法律も違う海外で暮らす上で頼りになるのはスペシャリスト。日常生活を送る上で必要となる、また気になるテーマについて、さまざまなジャンルのスペシャリストたちに話を聞く。

OPT(Optional Practical Training)からH1Bビザ(就労ビザ)の申請を行う場合の注意点について専門家に聞いた。申請の際にはOPTの有効期限の確認と、「CAP/GAP」のルールをよく理解することが大切だ。


H1Bビザの有効期限は?

 H1Bビザの滞在資格期間は3年ですが、延長手続きを行えばさらに3年間、合計6年間まで期間を延長することができます。H1Bステータス中にアメリカ国外で過ごした日数もこの合計6年の範囲内であれば、取り戻し申請をすることができます。

 最長6年の滞在期間を満了した(する)場合でも、H1Bビザの5年目の終わりまでに労働局に「PERM」を申請した(する)場合は、この6年を越えて滞在資格を延長することができます。PERMとは、最も一般的な雇用ベースの永住権申請の第一ステップです。

 H1Bはいったん他のステータスに変更するか、米国外に1年以上滞在した後に新たに申請手続きを行えば、3年間(延長して6年間)米国内で就労することが可能になります。


H1Bビザの取得は難しくなっていますか?

 H1Bビザの取得は年々難しくなっています。H1Bビザの対象となる専門職を必要とする雇用主が増え、H1Bビザを申請する人が増えているためです。

 申請者が発給数の上限を大きく超えるため、前号で解説しましたが、申請書類審査の前に、まずコンピュータによる無作為抽選が行われます。

 H1Bビザ申請の要件を満たしていたとしても、この抽選で選ばれる申請者は昨年のデータに基づくと全体の40%程度に過ぎません。

 申請費用をかけてもH1Bビザを取得できる可能性が低いだけでなく、ビザを取得できたとしても、その年の10月まではH1Bステータスで働くことができないなどの不都合があります。

 このため、特にIT関連などの大企業は今のままでは十分な人材が確保できないとして、連邦議会に働き掛けていますが、状況は改善していません。


OPT資格を持つ人がH1Bビザを申請する際の注意点は?

 最近はF1(学生ビザ)ステータスであるOPT期間中に、H1Bビザ申請を行うケースが増えています。ただし、「CAP/GAP」のルールをよく理解しておくことが必要です。

 このルールの下では、H1Bビザの申請が受理された時点で、有効なOPT資格があれば、就労が許可される10月になる前にOPTの有効期限が切れても、自動的に9月30日まで期限が延長されます。このため、就労の認可が下りる10月まで待機する必要がなく、OPTとして9月30日まで働き続けることが可能です。

 F1のグレイスピリオド(猶予期間)中にH1Bの申請をした場合は、合法的に滞在は継続できますが、就労は許可されませんので注意が必要です。

 今年は移民帰化局からのH1Bの抽選結果の通知に2カ月半以上かかったケースもありました。待機期間を短縮したい場合、初めからプレミアムプロセスで申請するという方法があります。プレミアムプロセスで申請すると、申請が受理され、移民帰化局が審査を開始してから2週間以内に抽選が通ったかどうか分かります。

 ただし、このプロセスの利用は抽選通過の確率、審査結果には一切影響しません。また、申請費用は通常の手続きよりも1225ドル余計に掛かります。

〈おことわり〉
 当弁護士事務所は記事内容に関して一切の責任を負いかねます。詳細は各専門の弁護士にご相談ください。


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ピーター・トーベン・ジェンセン

コロンビア大学ロースクール卒業。大手法律事務所に勤務後、1996年にジェンセン&ジェンセン法律事務所を設立。ミッドタウンにオフィスを構え、非移民ビザや永住権申請、会社設立、雇用法、ビジネス、投資家の相談など、移民法に関連した幅広いニーズに対応。

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