2015/10/30発行 ジャピオン837号掲載記事

スペシャリストに聞く

⑤永住権と市民権

今月のテーマ:永住権

文化、習慣、法律も違う海外で暮らす上で頼りになるのはスペシャリスト。日常生活を送る上で必要となる、また気になるテーマについて、さまざまなジャンルのスペシャリストたちに話を聞く。

永住権抽選プログラム以外にも、永住権を取得する方法はいくつかある。婚姻により取得する際の注意点や永住権と市民権の違いについて専門家に聞いた。

 

永住権抽選プログラムに申し込む以外で、永住権を取得する方法は?

 日本人の場合、最も一般的な取得方法は市民権や永住権を持つ家族、または雇用主にスポンサーになってもらい申請する方法です。両親の国籍が米国以外で、子供が米国で生まれた場合は、その子供が21歳になれば両親の永住権のスポンサーになることができます。
投資を通じて申請することもできます。また、日本人の場合は該当しませんが、難民・亡命者として申請する方法もあります。

 

永住権の面接ではどのような質問をされますか?

永住権のスポンサーが誰であるかによって、面接は異なります。雇用主や親、21歳以上の子供がスポンサーとなって永住権の申請を行う場合は、書類審査だけで面接はないこともあります。婚姻により、配偶者がスポンサーとなって永住権を取得する場合は、通常、担当官がその夫婦の面接を行って、その婚姻関係が偽装ではないこと、一緒に住んでいることなどを確認するための質問を行います。 実際には、仕事の事情などで離れて暮らさなければならない夫婦もいますが、一緒に生活していない場合は、一緒に生活している場合より婚姻関係を証明するのは難しくなります。

 

永住権の有効期限延長手続きを忘れた場合は?

 延長手続きを忘れる人は少なくありませんが、そのことで米国内に永住する権利を失うということではないので、心配する必要はありません。延長手続きを忘れて有効期限がすぎてしまっても、政府のデータ上は永住権保持者と見なされているからです。ただし、米国外に旅行して帰国する際などには、 問題が生じる可能性があります。有効期限が切れていない永住権カードを携帯していれば、無用なトラブルを避けられます。

 

永住権と市民権の違いは何ですか?

 大きな違いは次の2点です。市民権保持者には選挙権がありますが、永住権にはありません。

市民権のある人は海外に永住しても市民権を失うことはありませんが、永住権保持者の場合は前回説明したように、海外滞在が長くなるなどして、移民帰化局から米国内に永住する意志がないと見なされると、永住権を失う可能性があります。

いったん市民権が認められると、市民権を失う可能性はほぼなくなります。市民権を放棄する、または政府によって剝奪されることは法律上起こりえますが、非常にまれなケースです。

 

市民権を取得するには?

 永住権を取得してから5年(米国市民と結婚している場合は3年)経過していれば、市民権を申請することができます。 英語力と米国の歴史などに関するテストに合格することが必要ですが、難しい内容ではありません。

〈おことわり〉
当弁護士事務所は記事内容に関して一切の責任を負いかねます。詳細は各専門家にお尋ねください。

 

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リチャード・A・ニューマン

ニューヨーク州公認弁護士。30年以上の弁護士経験を持ち、1990年の事務所開設以来、米国移民および市民権法などの法律手続きに携わる。特に労働ビザ、領事事務、永住権、PERM、laborcertifi- cations、労働許可証の取得などの経験が豊富。

The Law Office of Richard Newman

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