2015/10/23発行 ジャピオン836号掲載記事

スペシャリストに聞く

④条件付き永住権

今月のテーマ:永住権

文化、習慣、法律も違う海外で暮らす上で頼りになるのはスペシャリスト。日常生活を送る上で必要となる、また気になるテーマについて、さまざまなジャンルのスペシャリストたちに話を聞く。

今回は「条件付き永住権」や「再入国許可証」などについて聞いた。米国外に長期滞在することが分かっている場合、あらかじめ「再入国許可証」を取得しておく必要がある。


「条件付き永住権」とは何ですか。また、条件付き永住権の注意点は?

 
 条件付き永住権(Conditional Permanent Residence)は偽装結婚による永住権取得を防ぐ目的で作られました。
 
 そのため、婚姻によって永住権を申請した場合、結婚期間が2年以下の人には条件付き永住権が発給されます。
 
 条件付き永住権は有効期限が2年間なので、永住権を延長したい場合は、有効期限90日前から期限までの間に、この条件を取り除く手続きを行う必要があります。この手続きを行わないと、永住権は自動的に失効しますので注意してください。
 
 婚姻による永住権を申請する時点で、すでに婚姻関係が2年以上続いている人には、条件付きではない通常の永住権が発給されます。


延長手続きを忘れるとどうなりますか。

有効期限が切れる前に手続きができなかった正当な理由(例えば病気で入院中だったなど)がある場合は延長手続きを行うことができますが、単にうっかり忘れていただけの場合は、永住権取得手続きを最初から行わなければなりません。


有効期限が切れる前に離婚した場合はどうなりますか?

 もし、条件付き期間である2年間の間に離婚したり、一緒に住まなくなったりした場合は、延長手続きを行う必要はありません。
 
 その場合でも、移民帰化局に対してこの2年間の婚姻関係が偽装ではなかったことを証明することができれば、有効期限のない永住権を取得することは可能です。ただし、「良い結婚生活」であったということを証明するのは非常に難しいです。


犯罪以外の理由で永住権を剥奪されるケースはありますか?

 永住権を取得して何らかの理由で帰国し、そのまま米国外に滞在し続けたり、たまに米国に戻って来ても短期間滞在したりするだけ、ということを続けていると、入国の際に移民帰化局に米国に永住する意志がないと判断され、永住権を剥奪される可能性があります。
 
 また、市民権を申請して過去の記録を調べられたときなどに、永住権を申請した際に虚偽の申告を行っていたと判断された場合も、永住権を剥奪されることがあります。


国外に長期滞在しなくてはならない場合の、永住権保持の手段は?

 永住権を保持するには、少なくとも6カ月月以内に1度米国に戻ってくることが望ましいです。6カ月以上米国外に滞在すると、入国の際のチェックが厳しくなります。また、何年もこのような状態が続くと、永住権を剥奪される可能性が高くなります。


「再入国許可証」とは?

 米国外に長期滞在することがあらかじめ分かっている場合は、「再入国許可証(re-entry permit)」を取得しておくことをお勧めします。その場合でも、6カ月以内に1度は米国に戻ってくることが望ましいです。再入国許可証を所持していても、こうした状態が長く続くと永住権を剥奪される可能性があります。
 
 ただし、米国の企業に就職し、海外赴任となって海外に長期滞在するような場合は、永住権を剥奪される可能性はほとんどないでしょう。

〈おことわり〉
当弁護士事務所は記事内容に関して一切の責任を負いかねます。詳細は各専門家にお尋ねください。


スクリーンショット 2015-10-07 11.41.03

リチャード・A・ニューマン

ニューヨーク州公認弁護士。30年以上の弁護士経験を持ち、1990年の事務所開設以来、米国移民および市民権法などの法律手続きに携わる。特に労働ビザ、領事事務、永住権、PERM、laborcertifi- cations、労働許可証の取得などの経験が豊富。

The Law Office of Richard Newman

TEL
212-986-0947
WEB
http://www.richardnewmanlaw.com
MAP
521 5th Ave., 32nd Fl. (bet. 43rd & 44th Sts.)

バックナンバー

NYジャピオン 1分動画