2015/08/28発行 ジャピオン828号掲載記事

スペシャリストに聞く

④保険加入を助ける制度

今月のテーマ:米国医療のしくみ

文化、習慣、法律も違う海外で暮らす上で頼りになるのはスペシャリスト。日常生活を送る上で必要となる、また気になるテーマについて、さまざまなジャンルのスペシャリストたちに話を聞く。

今回も「オバマケア」について解説する。マーケットプレイスで提供されているヘルスプランを購入できない人のために、さまざまな加入を助ける制度が用意されている。


従来の医療保険と比べた場合の「オバマケア(アフォーダブルケア)」の特徴は?

オバマケアの最大の特徴は、さまざまな民間保険会社のプランを同時に比較して購入できることです。

 また、収入によって月額の保険料の税金控除を受ける資格(アドバンス・プレミアム・タックス・クレジット=APTC)、自己負担額や診察料などを減額する補助金(コスト・シェアリング・リダクション=CSR)などの、加入を助ける制度があることです。

 APTCは連邦政府が定める貧困レベル100~400%に該当すれば使用できます。CSRは、貧困レベルが250%以下に該当する人がシルバーレベルのプランに加入するときのみ、使用できるものです。


低所得で保険購入が困難な人はどうしたらよいでしょうか?

州により異なりますが、一定条件を満たせば公的医療保険であるメディケイド(Medicaid)を申請できます。

 オバマケアが始まってメディケイド申請可能所得率を引き上げた州が多くあるので、加入可能な方が多くいらっしゃるのではないでしょうか。


オバマケアの保険を購入できない、またはメディケイドを受給できない人に対して他に選択肢はありますか?

ニューヨーク市在住(他一部のニューヨーク州含む)の方は、市が管轄する病院(HHC)またはコミュニティークリニックで、収入ベースでサービスを受けられるプログラムを利用することができます。他州在住者はローカルのクリニックで、収入ベースでサービスを受けられる場所、また病院によってはチャリティープログラムというものがありますので、ご確認ください。

 いつ事故や病気になるか分かりません。現在医療サービスを受けていない健康で無保険の方でも、近所でどのようなサービスが提供されているのか、調べておくことをお勧めします。


オバマケアの加入期間は?

加入の申請期間が変わりました。2016年から加入したい場合は、15年11月1日から16年1月31日までに加入申し込みを行ってください。ただし、一般申請受付期間の他に特別加入期間が設けてあります。特定の理由(例=結婚、出産、離婚、引っ越し)がある方や、マーケットプレイスの保険に加入しているが、世帯収入の変動で補助金に影響してしまう人などは、そのライフイベントがあった日から60日以内に保険に申請することが可能です。


他に気を付けるべき点はありますか?

州により異なりますが、オバマケアでは、来年度、中所得者層の方を対象に、さらに加入を助けるプランが導入される予定です。

 11月の申請受付が始まる前に詳細が発表されますので、ご確認ください。また、毎年保険の月額が変更されたり、プランが追加されることがありますので、毎年自身のプランを見直してみることをおすすめします。

 オバマケアの保険をお持ちの方は、健康であっても年に一度の無料チェックアップを受けることができます。無保険の方も、収入ベースで診察してくれるクリニックなどを利用してチェックアップをされてはいかがでしょうか。健康を維持するために、常に体の管理をすることが大切です。

〈おことわり〉
当非営利団体は記事内容に関して一切の責任を負いかねます。詳細は各専門家にご相談ください。


スクリーンショット 2015-08-14 16.02.30

中曜子

日米ソーシャルサービス(JASSI/Japanese American Social Services, Inc.)所属、ソーシャルワーカー。NY州認定保険申請カウンセラー(CAC)としてオバマケアの相談、申請手続きを、韓国コミュニティーサービス(KCS)と共に提供している。

JASSI(日米ソーシャルサービス)

TEL
347-482-1541
WEB
http://www.jassi.org

バックナンバー

NYジャピオン 1分動画