2015/01/01発行 ジャピオン794号掲載記事

スペシャリストに聞く

①タックスリターンの基礎知識

今月のテーマ:タックスリターン

文化、習慣、法律も違う海外で暮らす上で頼りになるのはスペシャリスト。日常生活を送る上で必要となる、また気になるテーマについて、さまざまなジャンルのスペシャリストたちに話を聞く。

タックスリターンのシーズンが近づいてきました。タックスリターンとは、所得税を納める確定申告のこと。利息とペナルティーを科せられないようにするためにも、早めに準備を開始しましょう。

 

「タックスリターン」とはどのようなものですか?

米国では、給与所得者でも個人事業主でも、一定以上の収入がある個人は、連邦と州(ニューヨーク市の住人の場合は市に対しても)所得税を納めなければなりません。そのために行う確定申告がタックスリターンです。

 かつてはタックスリターンはシンプルなものでした。しかし、過去数十年の間に、所得の形態が非常に複雑なものに変わりました。かつてのように夫1人の給与所得で家族を支えるというケースが減り、現在では、夫婦共働きで、しかもサイドビジネスからの収入もあるというような場合も増えており、そのため、タックスリターンが非常に複雑になってきています。


タックスリターンの義務があるのはどのような人ですか。

一般的に、その年に申告義務の必要な最低所得額以上の収入があった、全ての人が対象です。

 65歳以上のリタイアした人の場合、収入がソーシャルセキュリティーからのみで、年間所得が25000ドル以下(夫婦の場合は32000ドル以下)であれば、所得税を納める必要はありません。ただしキャピタルゲインなどがある場合は、それも収入とみなされます。

 政府からの福祉手当のみを受けていて、他に収入のない人も所得税を納める必要はありません。

 収入が多くても、子供がいるケースでは、さまざまな控除が適応され、所得税を納める必要がなくなる場合もあります。


未成年でも所得があればタックスリターンを行わなければなりませんか?

未成年でもその年に申告義務の必要な最低所得額以上の収入があれば、タックスリターンを行う必要があります。

 プロの子役として収入を得ているような場合、さまざまな経費がかかり、直接ビジネスに関するものであれば、それらは控除の対象となります。従って、親との合算申告ではなく、個人で申告した方がいい場合もあります。


W―2の税金申告のプロセスについて教えてください。

給与所得者の場合は、雇用主からW―2フォームが送られてきます。これは、雇用主が給与から連邦税、州税、ソーシャルセキュリティー税、ニューヨーク市住人の場合は、ニューヨーク市税をいくら支払ったかなどを示す源泉徴収票です。これに記載されている数字をもとに、控除やタックスクレジット(子供の養育教育費など)を計算して、確定申告用紙(米国居住者は「Form1040」、米国非居住者は「Form1040 NR」)に記入して申告します。


ニューヨーク市に住んでいる場合、どのようなファイリングが必要ですか?

一般的にニューヨーク州に居住および勤務している人は「Form IT-201」で、ニューヨーク州に申告を行います。ニュージャージー州に居住してニューヨーク州に勤務している場合は、ニューヨーク州で得ている収入のみ、「Form IT-203」でニューヨーク州に申告し、ニュージャージー州に確定申告を行う際に、ニューヨーク州に納めた税金を控除として申告します。


タックスリターンの期限はいつですか。

「2014年のタックスリターン」は、2015年の4月15日までにIRS(アメリカ合衆国内国歳入庁)に書類を郵送かEファイル(電子納付システム)で提出します。

 遅れるとペナルティーと利息が課せられますので、タックスリターンの準備は早めに始めましょう。

〈おことわり〉
 記事内容に関して当会計士事務所は一切の責任を負いかねます。詳細は各会計士にご相談ください。

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エドワード原公認会計士

ニューヨーク大学卒業後、ニューヨーク州公認会計士となる。1994年に、原公認会計事務所を引き継ぎ、個人・企業の会計・税務で25年以上の経験を持つ。米国公認会計士協会会員。

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