2017/12/15発行 ジャピオン946号掲載記事

この街に住みたい

世界中から人が集まるニューヨークには長い発展の歴史と物語がある。今回は、ロングアイランド鉄道も含め、現代のジャマイカの交通機関が整備される経緯を振り返る。

ジャマイカ❼

小屋駅舎からの近代化

 1830年代創業のロングアイランド鉄道(LIRR)が、この地の交通インフラの先駆けであることは、このコラムでしつこく書いてきた。少し話が前後するが、当時ブルックリン-ロングアイランド間を走る鉄道会社にはサウスサイド鉄道(SSRR)もあり、1876年にLIRRが吸収合併している。

このころは線路が道路と同じレベルにあったため、踏切などでの事故が絶えなかったという。歴史書「イメージズ・オブ・アメリカ〜ジャマイカ・ステーション」に掲載された当時のジャマイカ駅の写真を見ると、平地に立つ小さな小屋だ。余談だが、その駅舎内にはビールバーがあったという。今ならカフェが入るところだろうが、当時はコーヒーより酒だったということか。

 1900年代に入ると線路も拡大し、いよいよ平地での運行には無理が出てきた。1913年に今の場所に本社ビルが完成すると、それに隣接して新しい高架式プラットホームの建設が始まる。完成は1930年。17年もかかっている。

 いつの時代も、線路やトンネルの建築には年月を要するということだろう。2007年に始まったLIRRグランドセントラル駅への乗り入れ工事も、再三完成時期が延ばされ、今のところ2023年開通とされているが、さらに延期されることはほぼ確実。これが完成すれば、中継地点としてのジャマイカはさらに発展するはずだ。

地下鉄とエアトレイン

 1900年代に入ると地下鉄網も整備され始める。BMT(ブルックリン・マンハッタン・トランジット社)ジャマイカ線が開通したのが1918年。今の地下鉄J・M・Z線だ。

 IND(インディペンデント・サブウェー・システム)クイーンズブルバード線(今の地下鉄E・F・M・R線)開通が1936年。1977〜85年には、サットフィン・ブルバード/アーチャー・アベニュー駅から、終点ジャマイカセンター駅までが一度壊され、改築後、88年現在の地下鉄路線が完成している。

その新サットフィン・ブルバード/アーチャー・アベニュー駅からJFK国際空港までのエアトレインが開通したのが2003年12月だ。それに合わせ、LIRRジャマイカ駅の改装・近代化もこの年に終了している。

 地下鉄でジャマイカに行くと分かるが、終点2駅が大きくて新しい。市内の地下鉄駅ではダントツの設備だ。全てはここがJFKに直結するからで、この立地は今後大きくモノを言うだろう。ジャマイカが海外からの観光客の〝目的地〟となるよう、いわばジャマイカのディズニーランド化計画まで持ち上がっている。50年後、ジャマイカはどうなっているのだろう。(佐々木香奈)

LIRRの本社ビル(右)に隣接するジャマイカ駅(左奥)。2003年に改装工事が完了
LIRRの乗り換え地点となるジャマイカ駅。プラットホームの整備も整っている
地下鉄Sutphin Blvd/Archer Ave駅、LIRRジャマイカ駅から発着のエアトレイン

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