2015/09/11発行 ジャピオン830号掲載記事


中古車の買い方

ニューヨーク市内は公共交通網が発達しているが、郊外での生活や旅行にはやはり、車が便利。ここでは、「賢い中古車の買い方」を紹介する。


  「車社会の米国では、状態の良い中古車が豊富に市場に出回っています。自身のライフスタイルや米国滞在期間などを考慮し厳選すれば、満足のいく中古車を手頃な価格で購入することができます」

 こう話すのは、ホクトオートの住友秀行さん。ニューヨークで中古車を探すには、「ディーラーを見て回る」、または「個人売買を探す」方法が一般的。いずれにせよ、まずは予算や米国滞在期間、車の使用頻度などを明確にすることが大事だという。以下、賢く優良中古車を買うために、専門家でなくてもできることを教えてもらった。

購入前にすること

車の情報を集める
 「とにもかくにも、まずは車の情報をなるべく多く集めましょう」と、念を押す住友さん。米国で販売される車には全て車体番号(VIN)が付いており、「カーファックス(www.carfax.com)」や「オートチェック(www.autocheck.com)」といった車の有料情報管理サイトにこの番号を入力すれば、その車がどこで登録されているか、今まで何人のオーナーがいるか、走行距離は正しいか(走行距離計が巻き戻されていないか)、事故を起こしたことがないか、レンタカーなどとして使われたことがないか、などの情報を知ることができる。これらの情報は、車の正しい価値を判断する上で、非常に重要になってくる。

 「例えば、ハリケーンなどで浸水したことのある車には、『Flood(水没)』という証拠が付きますし、事故などで大幅な修理を加えた車両にはサルベージ・タイトルが付きます。その車の車歴を知ることで、ある程度のリスクは回避することができます。ですが、水没したり、サルベージ・タイトルの車はともかく、事故履歴が付く車を、必ずしも買ってはダメだということではありません。バンパーを交換しただけなど、軽微な事故の中古車もあります。走行に支障がないのを確認した上で、その分割引してくれたり、何か特典を付けてもらえることもある。その価格と車のパフォーマンス能力にお客さまが納得すれば、購入を検討しても良いでしょう」

 もちろん、目星を付けた車の中古車市場を事前に調べておくことも大切。価格帯は「ケリーズブルーブック(www.kellysbluebook.com)」や「エドマンズ(www.edmunds.com)」などで調べることができる。車の大体の価格を把握しておけば、売り手の言い値で買わされることはない。

内容を確認する
 住友さんによると、意外と見落としがちなのが保証期間だという。保証の有無や内容を確認せずに中古車を購入すると、後々、故障が発生した時に多額の修理費を自分で支払わなければならなくなるケースも少なくない。

 その上でやはり一番安全なのが、メーカー系ディーラーのサーティファイド(保証付き)車を購入することだろう。例えばトヨタのサーティファイドの中古車なら、初年度登録から7年または10万マイルまで、エンジン、トランスミッションの保証が付く。それ以外にも、ディーラーなどで購入する際には、ワランティー(保証)を別途購入することもできるので、それを上手く利用する方法もある。

なるべく試乗する
 最近はインターネットを通して気軽に購入できるが、やはり実際にその車を見て、できれば試乗して相性を確認した方がより確実な買い物ができる。

ディーラーの見極め方

 事前の下調べや試乗を終え、いよいよ購入を検討する段階。ここで気を付けたいのが、セールスマンを信用できるかどうか、ということだ。良いことだけを並べて、どうにか買ってもらおうとするセールスには気を付けたい。車の良し悪しを客観視でき、クライアントのニーズをしっかり聞いた上で商品を提案できるセールスかどうか見極めなければならないという。購入を検討している商品の情報について、前述の中古車査定サイトの情報を請求した際に出さないような所も、怪しいと判断していいという。

 信用の基準として、その人や店から実際に中古車を購入した人の評判を聞く、そして信頼と実績ゆえに長く経営している店を探すのも良いだろう。

お話を聞いた人

住友秀行さん
Hokuto Auto
セールスコンサルタント
85 Rt. 17 South,
Wood-Ridge, NY 07075
TEL: 201-233-9784
sales@hokutoauto.com
www.hokutoauto.com



帰国する人へのアドバイス

 新車購入と中古車購入の最大の違いは、中古車は全く同じ条件のものが1台もないということ。車種や年式は同じでも、走行距離や事故歴、前オーナーの車の扱い方などで、その車の価値が大分変わってくる。

 数年後に帰国することが決まっていて、なるべく車にかける費用を抑えたい人には、「売却するときの車の市場価値を考慮した上で購入するのが賢明」だと、住友さんはアドバイスする。

 例えば、同じ年式、走行距離、コンディションだが、色の違う2台のトヨタ「カローラ」が査定にかけられた際、買い取る側(業者)としては、シルバーなど比較的万人受けする色の方が市場価値が高いと判断する(=売りやすい)。「いつでもそういう色の車がベストと言うわけではないですが、参考までに、売却するときに売りやすい色を頭の中に入れておくと良いでしょう」

 また売却する際には、複数のディーラーに査定してもらおう。その中で買取価格が高い方がもちろん良いが、値段だけでなく、総合的な労力とサービスを考慮した上で、お得な業者を選びたい。車の売却は通常、ナンバープレートを外して陸運局に返却するまでがオーナーの務めだが、急に帰国が決まったときなどは時間にもゆとりがない。そんなとき、日系の業者などなら、このような面倒な手続きを全て請け負ってくれたり、帰国日に合わせて車を自宅に取りに来てくれるサービスを取り入れているところも多数ある。査定に出す際には併せて、サービス内容のチェックも行いたい。

 ちなみに、今流行のエコカーだが、「なるべく費用を抑えて乗りたい方には、必ずしもおすすめできません」と住友さん。なぜなら、普通のガソリン車と比較して本体価格が割高なエコカーで燃費で価格差を埋め、さらに得をしようとすると、時間もそれなりにかかるからだ。「9万、10万マイル走ってやっとイーブンになる場合もあります。『エコ』に配慮したり、セルフイメージを大切にする方や会社には推奨できますが、2、3年のご滞在でなるべくトータルの出費を抑えたいというのでしたら、やはり普通車の方がおすすめです」




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