2015/09/11発行 ジャピオン830号掲載記事


生命保険

万が一のことがあっても家族が困らないように加入するのが生命保険。米国の生命保険の種類や特徴、選び方のポイントについて専門家に聞いた。


 米国に長期間滞在することが分かっている場合、万が一に備えて検討したいのが生命保険。そこで、米国の生命保険について保険エージェントの廣瀬清美さんに話を聞いた。

生命保険の必要性 家族への愛が動機

 生命保険に加入する目的は第一に、大切な家族を守ること。保険エージェントの廣瀬清美さんは、生命保険への加入動機の多くは「家族への愛です」と語る。

 「家族、特に学齢期のお子さんがいる方、家や車のローンを返済中の人は、万が一、ご自身が亡くなった場合、収入が途絶えることで、残された家族が生活に困るということに加えて、月々のローンの支払いも難しくなります。生命保険とは、今から、家族が困らないようにしておく対策として大切なことだと考えています」とその重要性を語る。

 まず最初に米国の生命保険には大きく分けて、「定期型(Term Life Insura- nce)」と「終身型(Whole Life Insurance)」の二つのタイプがあるのを知っておこう。

米国の生命保険 二つのタイプ

 定期型は少ない掛け金で、しっかり死亡保障が付く保険で5年、10年、15年など期限(term)があらかじめ決まっている。保障期間の上限は保険会社によって異なるが、最長で30年ほどだという。掛け金が少ないのが魅力だが、掛け捨て型なので満期になってもお金は戻ってこない。

 一方、終身型は5年から30年(保険会社により異なる)の積立型定期保険。その契約の種類は多様で、例えば、加入して15年たったら掛け金の一部が戻ってくるものや、子供の教育費をカバーできるもの、掛け金を運用して資産を増やせるものなどがある。貯蓄や投資で資産を増やせる点が大きな利点と考えられ、生命保険としての死亡保障だけでなく、年金、相続、貯蓄、リタイアメントプランなどとしても利用できる。保障期間は被保険者が亡くなるまで、または100歳になるまでなので、解約しない限り、死亡保険金が支払われる。ただし、定期型に比べて掛け金は高く、保険によっては、契約5年以内で解約した場合、数パーセントのペナルティーを請求されることもある。

 終身型保険は、定期型に比べ種類、選択肢が多いのも特徴。家族が増える、子供が就学する、住居を購入するといった場合のライフスタイルの変化に応じて契約金の額や、契約の中身を変更することが可能な「VariableUniversalLife Insurance」(VUL)もある。また一つの保険で2人が被保険者になることができ、どちらかが死亡したときに死亡保険金が支払われる「Joint Life」、スモールビジネスの経営者などが会社と従業員を守るために加入する「Grouplife InsuranceBuy-sellAgree- mentLife」、青少年向けの「Juvenile」などもある(保険会社により名称は異なる)。

 また、クレジットカードの中には死亡保障が付いたものがあるので、生命保険を契約する前に、まず、手持ちのクレジットカードに死亡保障が付いているかどうか確認するのも一考。

自分に合った保険 賢い選び方

 生命保険を選ぶ際のポイントは、まず、目的をはっっきりさせること。少ない掛け金でしっかりした死亡保障を得たいのか、掛け金が高くても貯蓄や投資で資産を増やせるタイプがいいのかを考える必要がある。その上で、情報を可能な限り集めることが大切だと廣瀬さんは強調する。

 「日米でシステムが違うせいか、『よく分からないので加入しない』というスタンスの日本人が多いと感じます。ですが、きちんと知れば税金控除などを含め、たくさんのベネフィットがあるので、まずは、詳しい人に話を聞いて、自分で調べてみることをおすすめします」という。自分で調べる際には、数社のプランを比較してみることも大切だとアドバイスする。

 「病気になったとき、主治医の意見だけでなくセカンドオピニオンを聞くことが大切なように、保険会社1社だけでなく、 少なくとも2、3社に当たったり、保険エージェントに話を聞いたりしてください。ファイナンシャルプランナーに相談するのもいいと思います」

 大切なお金を有効に活用するためにも、信頼できる保険エージェントに、まずは気軽に相談してみてはどうだろうか。

 保険加入には個人情報を提供する必要がある。その部分には抵抗がある人もいるかもしれないが、適度な個人情報を提供することで、より自分のニーズに合った保険を探してもらうことができるのを知っておくべきだろう。

お話を聞いた人

廣瀬清美さん
保険エージェント
Office of Timothy B Derham
Farmers Insurance
1674 Broadway, Suite 305
kiyomi.tderham@farmersagency.com
www.farmersagent.com/tderham



帰国後も続けられる米国の生命保険

米国で生命保険に加入した後、帰国することになった場合、生命保険を維持し続けることができる。そのために帰国する前にしておくべき手続きや注意点について広瀬さんに解説してもらった。

帰国後も銀行口座を維持する
 月々の保険料の支払いや、死亡保険金を受け取るには米国の銀行口座が必要。そのため米国の銀行口座はそのまま維持する。

帰国前に契約内容を確認
 保障によっては、米国以外に居住する人は対象とならない場合があるので、帰国前に確認する。

税金控除の対象になるかどうかを確認
 死亡保険金は所得税の控除対象となる。ただし、キャッシュバリューとして得た所得は控除の対象とはならない。




NYジャピオン 1分動画