

青山学院大学、ニューヨーク大学大学院卒業(MBA)。KPMGニューヨーク事務所パートナーを経て、現在米国公認会計士大島斉藤事務所パートナー。国際税務専門。個人税、法人税、日米間投資の税務、日米贈与、相続、遺産税。著書に『Q&Aアメリカ税金百科』(共著/有斐閣)、『アメリカ税金の基礎知識』(理文出版)など。
控除の種類について教えてください。
米国には、Itemized Deduction(項目別控除)とStandard Deduction(概算額控除・定額控除)の2種類の控除方式があります。会社員でも個人事業主も誰でも、自分にとって有利な控除方式を毎年選択して、調整総所得から差し引くことができます。
概算額控除は、具体的な経費項目を挙げずに、一定概算額による控除が認められるという、簡便方式です。経費の証拠書類がなくても一定額の控除が取れるので、非常に便利です。アパートや借家住まいで、持ち家の控除がない場合に選択するといいです。
ただし、誰でも選択できるわけではなく、外国籍の場合は、「居住外国人」でなければなりません。Fビザ、Jビザの非居住外国人は概算額控除の選択は認められず、必ず項目別控除を選択しなければいけません。
「項目別控除」では、どのような項目が控除の対象となりますか。
持ち家がある納税者は、固定資産税と住宅ローン支払利子の金額だけで、概算額控除の金額を超えるため、項目別控除方式を選択することによって、必ず節税になります。固定資産税と住宅ローン支払利子のほか、項目別控除に入るのは次の経費があります。
・医療費
・州市所得税、セールスタックス
・慈善寄付
・災害盗難損失
・勤務活動経費
・投資関連経費
会社員の場合は、仕事に必要な経費は認められませんか。
基本的には、個人事業主に認められるような、事業関連の経費は給与所得者には認められません。ただし、会社員に対しては「勤務活動経費」の控除が認められます。これは、会社員が勤務活動の一環として会社のために支出した経費のうち、会社に精算してもらえなかった分のみが対象で、経費の合計額のうち、納税者の調整後総所得の2%を超える部分に制限されています。具体的には、次のような経費が控除の対象となります。
・出張経費/交通費、宿泊費、食費(50%)、電話代、チップなど
・交際費/レストランでの食事代、観劇、スポーツ観戦の入場料などの、支出の50%
・勤務関係教育費/現職に関する知識の修得や技術の維持・向上に役立つ教育費(授業料、教材費、交通費)など
外国税額控除について教えてください。
源泉地国で一度課税された所得を、米国で課税対象の所得として報告することによって生じる二重課税問題を解決するために設けられたのが、「外国税額控除」規定です。外国所得税の支払いがあった場合、項目別控除か外国税額控除のいずれか、有利な方式を選択できます。項目別控除とは、課税所得の算出課程で、外国所得税を経費の一つとして調整総所得から差し引いてから、税額を計算する方法。外国税額控除とは、計算された税額から外国所得税を直接差し引く方法です。
(おことわり)
当会計事務所は、記事内容に関して一切の責任を負いかねます。詳細は各会計士にご相談ください。
![]() |
Oshima Saito LLP
509 5th Ave., 6th Fl. (bet. 42nd & 43rd Sts.) TEL: 212-599-4600 info@oshimasaito.com www.oshimasaito.com |