

ニューヨーク州弁護士。ブランド保護、ライセンス、エンターテインメント、不正競争防止法を専門とし、知的財産権の権利行使、知財ポートフォリオやパブリシティー権の管理などを行う。米国進出を目指すアーティストやスポーツ選手のサポート業務も行っている。
芸術の秋。今月は、芸術作品と著作権について伺います。アートを写真撮影した場合、著作権はどうなるでしょうか?
著作権法で保護されるための要件である「創作性」とは、どのように判断されるのですか。
この場合の創作性とは、それほどハードルの高いものではなく、最低限の創作性があればいいと考えられています。
ただし写真では、どんなにすばらしい作品でも、自然や環境をそのまま忠実に再現したのみと見なされる場合、著作権法が及ばない可能性があります。たとえば、バレエの第5番ポジションを題材に、バレリーナの脚だけを撮影した写真があったとします。この写真が5番ポジションの単なる忠実な再現でしかない場合、内容的には創作性の要素がないため、著作権法によって保護されないことになります。よって、照明、背景、衣装やカメラのアングルなどで何らかの創作性を生み出さない限り、似たような作品を他の人が真似て作ることも自由です。
建物やモニュメントなどを撮影する場合、撮影許可が必要ですか。
まず、著作者が複製権と二次的著作物作成権という排他的権利を有していることを、理解することが重要です。そして、著作権で保護されている著作物を写真撮影することは、米国では複製または二次的著作物の作成と見なされ、被写体となるものの著作者より許可を得る必要が生じます。これは、基本的には撮影用途や使用用途を問わずに言えることです。
米国で著作権保護の対象となる建築物(庭園なども含む)は、1990年12月1日以降に建築された、創作的なデザイン要素がひとえに機能性に由来しない構造物であるもの、とされています。この要件を満たす建築物は著作権法によって保護されますが、米国では、建築物の写真撮影などの行為に対しては、特例が設定されています。このため、建築物が公共の場に建てられる場合、公共の場から撮影できる場合には、撮影許可を得る必要がありません。
ただし、モニュメントのような構造物は建築物ではなく彫刻と見なされるため、公共の場から撮影できたとしても、許可を得ておく必要性があるのです。事前の撮影許可を得ることは、最善のリスクマネジメントだと考えてください。撮影写真を出版や広告などの営利目的で利用する場合は特に、第三者の著作権などを侵害しないよう注意が必要です。
また、9・11以降、営利目的の撮影者に撮影パーミットを購入することを規定する、公共施設や公共建築物が増えていますので、これも確認しておくことが大切です。
(おことわり)
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