

NY州認定弁護士。フォックス・ロスチャイルド法律事務所国際部主任。過去25年に渡り、複雑な資産相続や国際的事情に直面する顧客を中心に、私設基金設立なども含め、アドバイスをしている。85年「Estate Plann- ing」(New York Institute of Finance)を出版。05年長野スペシャル五輪諮問委員会会員。
遺言の作成をはじめ、死後の計画を立てることが、一般的な米国。今週は、葬儀指示書についてです。
葬儀指示書(Funeral Instructions/Direc-tions)の作成をニューヨーク在住の日本人にすすめる理由は?
こちらに住む日本人、特に年配で独居の方は、日本の家族と何年も連絡を取っていないことが珍しくありません。もし、介護施設や共同住宅にお住まいなら、入所時に万が一の時の連絡先や、死後の処理方法に関する希望を聞かれていると思いますが、人付き合いの少ない方などは、遺体が発見されるまで日数がかかってしまい、不審死として警察が介入する可能性も考えられます。
また、日本の家族に連絡がついても、遺体の運搬/処理などについて、ご家族が葬儀サービス業者と連絡をとるのは、容易ではないでしょう。ですから、エステートプラニングの際には、遺言とは別に、葬儀指示書を用意し、遺体の運搬/処理方法とその場所、信仰に沿った葬儀の種類、埋葬の場所/方法などに関して、明記しておくことが大切です。
日本人がニューヨーク州で死亡したら、どのような手続きが必要ですか?
日本の公官庁への届け出などに関しての詳細は、在ニューヨーク日本国総領事館(www.ny.us.
embjapan.go.jp/212-371-8222)にお問い合わせの上、ご確認下さい。以下、領事館による情報を抜粋します。
ニューヨーク州で日本国籍保持者が死亡した場合は、医師による死亡診断書を入手した上で、その事実を日本の戸籍に反映させるために、在外公館、または日本の市町村役場に、死亡届を提出する必要があります。
遺体を日本で処理するのであれば、運搬ということを考えねばなりませんが、遺体の運搬には膨大な費用がかかります。また、日本で遺体を処理するには、市町村が発行する許可書が必要です。その上、日本で火葬を行う場合には、当該市町村が死亡届を受理していることが条件となっています。
しかし、在外公館で死亡届を提出した場合は、日本の戸籍に反映されるまで2カ月ほどを要するため、遺体処理には間に合いません。ですので、通常は現地で火葬にして、お骨だけ持ち帰ることが多いようです。なお、日本へお骨を持ち帰る場合は、現地の葬儀会社が州から取得する火葬証明(cremation certificate)を持参する必要があります。
(おことわり)
記事はあくまでも概要の説明であり、特定の案件について法律的助言を与えるものではありません。個々の案件についての詳細は、必ず法律専門家の助言を受けて下さい。
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