

ニューヨーク州、ニュージャージー州及び米国最高裁の顧問弁護士。アメリカ移民法弁護士協会、ニューヨーク市法曹協会他の会員。専門は移民法、離婚、会社法、興行、不動産等。ボストン大学法学部卒。同大学院で法律とビジネス管理の両分野にて、Juris DoctorとMBA資格を修得。
今週は「陪審義務(jury duty)」について。陪審員になるための資格や役目とはどういうものでしょうか。
最近日本でも話題の、陪審制度と陪審員の義務・役割・資格について教えてください。
陪審員をすることは非常に重要な義務で、米国の裁判の仕組みを知るとてもいい機会でもあります。米国の法律は、金銭トラブルに巻き込まれた人から殺人事件の容疑者まで、誰に対しても一般の人々の審判を受ける権利を認めています。陪審員に選ばれたら、裁判に立ち会い、事件の裁判であれば、その事件の経緯を聞き、証拠を吟味し、陪審員同士で意見の交換を行い、最終的に評決を下します。
米国市民でなくても、陪審員として召還されることがありますか。また、どの程度の英語力が必要ですか。
陪審員は運転免許証や税金申告を行っている人などを対象に無作為に選出されます。つまり、18歳以上で米国内に居住している人ならば、市民権も永住権も、職業や収入も関係なく、陪審員に選ばれる可能性があります。
英語は、簡単な会話ができれば十分です。ニューヨークには外国人も移民も、英語が流暢に話せない人がたくさんいます。陪審員は一般の人たちの代表として裁判に関わるので、英語能力の低い人が陪審員のメンバーに加わるのは社会を反映している証拠であり、当然のことです。裁判では十分な説明がなされますが、陪審員は義務なので、分からなければ他の人に聞いたり、辞書で調べて裁判の内容を理解するなど、本人の努力も求められます。もし、英語が分からないとうそをついて陪審義務を免れようとすると、罪に問われます。
陪審義務のために仕事を休むことになったら、その間の収入は保障されますか。また、陪審員の召還を受けても、どうしても行けない場合はどうなりますか。
従業員が陪審員の召還を受けたら、雇用主は少なくとも3日の有給休暇を与えることが義務づけられています。一方、陪審員には政府から1日40ドル程度の手当が支給されます。裁判が長引いて、何日も仕事を休まなくてはならなくなったとしても、米国内に住む人の義務として、評決が出るまで陪審員の役目を遂行しなければなりません。
ただし、高齢である場合や、小さい子供や介護の必要な家族がいて家を空けられない場合、また一定の職業に就いている人に対しては、陪審義務が免除される場合もあります。仕事の都合などで召還に応じられない場合は、陪審義務の延期を願い出ることもできます。
〈おことわり〉
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