

ニューヨーク州、ニュージャージー州及び米国最高裁の顧問弁護士。アメリカ移民法弁護士協会、ニューヨーク市法曹協会、ほかの会員。専門は移民法、離婚、会社法、興行、不動産等。ボストン大学法学部卒。同大学院にて法律とビジネス管理の両分野にて、Juris DoctorとMBA資格を修得。
国際結婚の場合の離婚の問題点、結婚前同意書の賢い利用法など、具体例をふまえてお話を伺います。
国際結婚した夫婦が離婚する場合とそうでない離婚の場合で、大きく異なる点は?
国際結婚した夫婦の離婚でも、離婚後も双方ともに米国内に住み続ける場合は、ほかの離婚の場合と大きく違いません。手続きが複雑になるのは、資産が海外にも分散している場合、子供のいる夫婦が離婚して、一方が母国に帰る決心をした場合などです。子供の国籍が、米国と日本というように違う場合などは、手続きが非常に複雑になります。基本的に、米国内で生まれ育った子供をもう一方の親の母国に連れて帰るのは難しいでしょう。
親は自分の子供と生活したいと思うのがふつうですが、親権放棄という選択肢もあります。この場合、子供に対する一切の権利がなくなる代わり、もう一方の親が亡くなっても、子供に対する義務は生じません。
家庭内暴力が離婚の原因になることは?
家庭内暴力(DV)が離婚の原因となるケースは少なくありません。DVの解決策として離婚を選ぶ人も多いのですが、むずかしいのは、DVは犯罪であり、これを立証するには、医師の診断書や警察の記録、目撃証言などが必要な点です。はじめはDVを訴えていた人も、人に知られるのを気にしたり、相手が犯罪者として刑務所に送られたり、仕事を失ったりしたら、慰謝料どころか子供の養育費も支払ってもらえなくなる、などといった現実的な判断から、離婚の際に、DVの申告をあきらめるケースが多く見られるのは残念なことです。
一般的に、DVは夫が妻や子供に対して暴力を振るうというケースを想像しがちですが、最近は夫からの訴えも増えています。
結婚前同意書の賢い利用法は?
結婚前同意書があるといいのは、離婚の話し合いをするときに話し合いのスタート地点がわかるということです。また、ある程度のことはすでに決めてあるので、一から話し合うよりも時間や費用が節約でき、手続きもスムーズに進みます。
財産を多く持つ人が自分の財産を守るために、結婚前同意書を作成することは一般的に行われています。また、アーティストやミュージシャンが、将来的に認められて自分の作品に高い価値が出たときに備えて、作品の権利を配偶者に譲り渡さないために作成することもあります。こういう財産がらみのケースとは別に、たとえば、祖父母や親から贈られた形見の品などを確実に自分の手元に残したいというような場合にも、結婚前同意書を作成することができます。
(おことわり)
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