12月のトピック ◆ 歯科・賢い患者になろう


質の高い歯科ケアとは何ですか?
それは、患者さんが歯科医に何を求めているか、または、患者さんにとって何が大事かによって決まります。たとえば、歯に被せ物や差し歯(クラウン)をする場合。治療の質を判断する物差しは、ある患者さんには見た目の美しさや機能かもしれませんが、別の患者さんには治療直後の良い状態が何年続くかや、治療にいくらかかるかといったことかもしれません。良い歯科ケアの定義の一つは、患者さんそれぞれの価値観なり目的に、的確に応えることと言えます。
口の中の健康を、総合的に改善したいという人がいたとします。そういう人は、痛みや腫れといった当座の問題を解決するだけでなく、本人も気づいていないような問題が、ほかにないかを知ろうとするので、歯科医は、一連のレントゲン撮影や歯周病検査を徹底的に行い、口の中を総合的に診察します。患者さんをより深く理解しようと努めることも、より良い治療を行うためには大切です。時間や費用はかかりますが、患者さんの希望に応えていれば、それは質の高い治療です。
また、歯科医が自らの技術力を駆使し、治療を確実に行うのはもちろんですが、治療中の痛みや不快さを軽減し、更に治療後は、患者さんが自分の歯で生涯食事ができるよう、手入れの方法を教育するのも歯科医の責任です。言い換えれば、質の高いケアとは、当面の問題を確実に処置するだけでなく、将来の問題を予防することです。
良質なケアには時間と費用がかかる?
必ずしもそうではありません。たとえば、忙しくて治療に通う時間がないため、とりあえず当座の問題だけを治したい、という患者さんは珍しくありません。時間や費用に拘束がある場合、徹底的な治療を受けられるようになるまで、「とりあえず」行った治療を、「どれくらい長持ちさせたいか」によって、さまざまな治療法を検討します。普通、治療にはいくつか選択肢があるものです。
といっても、歯科治療に限らず労働集約的な作業には一般的に言えることですが、良い結果を出すためには時間がかかり、費用もかかります。
虫歯治療の場合の例を教えて下さい。
虫歯を取り除いた後の「穴」を埋めるために使われる材料には、銀、レジン(またはコンポジット)、金、ポーセリンの4種類があります。銀とコンポジットの場合、一度の通院で治療は終わりますが、金とポーセリンの場合は数回の通院が必要です。材料ごとに利点と欠点があり、歯科医はそれを患者さんに説明しなければなりません。患者さんが最終的に何を選ぼうと、歯科医は最善を尽くし、治療を確実に行うのはもちろん、その歯が問題なく長持ちするように努め、日常のケアについても指導します。
※最終回の次回は、歯科サービスをうまく利用するためのヒントです。
