3月のトピック◆
耳鼻咽喉科の疾患


いびきは、なぜ起きるのですか?
いびきとは、空気の通り道である上気道(のどや鼻)が、睡眠中に何らかの原因で塞がれて狭くなり、そこを空気が通ることによって発生する粘膜の振動音です。
睡眠中は気道を支える筋肉が緩むのが一因ですが、肥満や鼻の疾患、口蓋垂(こうがいすい=のどちんこ)や咽頭扁桃(いんとうへんとう、口蓋垂の奥にある組織)の肥大や炎症といった異常も、気道を狭くする原因です。
睡眠時に呼吸が止まる睡眠時無呼吸症は、上気道が完全に塞がった状態で起こります。男性の半数は、50歳までにいびき、または睡眠時無呼吸症を経験すると言われます。
健康や日常生活への影響は?
いびきは、かいている本人には聞こえないため、「困ることは何もないから、治療は要らない」という人はたくさんいますが、それは間違いです。
まず、眠りが浅いため、長時間寝ても疲れが取れません。また、いびきをかく人や睡眠時無呼吸症の人は、そうでない人よりも、寿命が短いことが知られています。これらの人は、高血圧、脳卒中、心臓発作のリスクが比較的高く、それが原因かもしれません。あまり知られていないことですが、いびきをかく人は、性的不能になる確率が高いことも分かっています。
どのように治療しますか?
最も一般的な対処方法は、持続気道陽圧呼吸法(CPAP)です。睡眠時に鼻にゴム製のマスクをかぶせ、専用ポンプから加圧した空気を気道に送ります。理論的には全ての人に有効ですが、旅行時に携行が煩わしい、マスク装着がうっとうしい、他人の前でマスクを着けたくない、などの理由から、治療を続け難いという問題があります。原因を取り除くものではないため、マスク装着は一生涯必要です。
マウスピースも有効です。睡眠時に装着し、舌が気道を塞ぐのを防ぎます。短所は、一部の人にしか効果がなく、顎関節症になる可能性があることです。肥満の人は、減量で症状が改善することもあります。
外科的治療には何がありますか?
原因が何であるかによって、さまざまな方法があります。口蓋垂や咽頭扁桃の肥大が原因の場合は、肥大部分の軟組織に高周波を当てて焼き切り、塞がった気道を少しずつ広げてやります。マイクロ波を使い、喉の奥の軟口蓋や、鼻の中の粘膜の厚くなった部分、舌の一部を熱凝固して瘢痕化させ、気道を広げたり、鼻の通りを良くしたりする方法も有効です。いずれの処置も15分程度で完了し、外来で受けられます。ほかにも、軟口蓋に糸状のものを埋め込んで固定し、振動を抑えていびきを減らすなど、体に負担の少ない方法が実用化されています。鼻に疾患や構造的問題がある場合は、それらを治すのが先決です。
※最終回の次回は、顔面神経障害についてです。
