1月のトピック ◆
慢性症状と漢方治療


子宮筋腫は不妊症につながりますか?
不妊症には、環境や遺伝などさまざまな要素が影響しているので、直接の原因を限定することは非常に難しいですが、最も不妊症につながりやすい要因とされているものに、子宮筋腫があります。
病理学的には、子宮筋腫の原因はエストロゲンなどのホルモンによって、細胞の増殖因子の働きが異常に強まったり、加齢、疾患、生活習慣などによって免疫が低下することなどが、大きく関係していると言われています。一般に、生理不順傾向にある人や、ホルモン剤を長期使用した人、ストレスや不規則な生活で免疫力が低下している人などが、筋腫になりやすいと言われています。
東洋医学では、子宮筋腫はもともとは於血(おけつ)が固まったものと捉えています。先天的な虚弱体質、冷え、月経期や出産後の体調不良、胃腸虚弱、貧血、ストレス、肥満などが子宮内を冷やすことで、於血/気滞の状態が起こり、それが慢性化すると、凝り固まって筋腫となります。
子宮筋腫は漢方で治りますか?
筋腫やガンは、何カ月、何年とかけて肥大する病気です。漢方で治療可能な症状全般に言えることですが、「未病」の段階で、治療と体質改善を行えば、腫瘍がかなり小さくなるだけでなく、再発防止にもなります。
子宮筋腫が治るか否かは、筋腫の大きさにもよりますが、直径5センチ以下ならば、漢方治療だけで治るケースがほとんどです。10センチ程度になると、漢方だけで治る可能性は20〜30%に下がるでしょう。また、治った後も、於血/気滞といった体質が改善されないと、すぐに再発してしまうことがあります。
どのように治療しますか?
於血が凝固して筋腫となる原因は、主に胃腸と肝臓、腎臓の働きにおける、陰陽のバランスの崩れです。肝臓は自律神経、腎臓はホルモンバランスや水分代謝を司ります。規則正しい生活を心がけ、体を冷やさないと同時に、熱が一カ所に停滞しないよう、適度な運動で血行を促進させることが重要です。睡眠と栄養で、生命力の源である腎臓と脾臓のバランスを整えるのも大切です。
気虚タイプには、エネルギーを増強させるキノコ類が効果があり、生理中にいらいらするタイプ(気滞)には、ミツバ、セリ、ウド、パセリなどが効きます。
不妊に関する東洋医学独特の解釈は?
不妊のほとんどは、受精に問題があるのではなく、着床が困難なケースです。受精は人工的にできますが、受胎は施術によって完了できないためです。東洋医学では、着床が困難な場合、内包する力が乏しいという見方をします。よって、卵子に異常がない場合は、脾臓、腎臓の機能を高め、下半身に陽性(内向/凝固)に働きかけるような治療をします。
※次回は、貧血、疲れやすさと、便秘の関係についてお聞きします。
