4月のトピック ◆
肝臓がんと肝炎ウィルス


どのように感染しますか?
B型肝炎ウィルスと同様に、体液を介して感染します。具体的には、違法薬物使用者間の注射針の共有や、汚染された血液の輸血などが挙げられます。感染力が弱く、日常生活の場で感染することは、ほとんどありません。
以前は輸血感染が多かったのですが、90年代初めに高精度の血液検査が導入されて以降、報告例はほとんどありません。問題は、違法薬物の注射投与です。米国では、新感染者の6割が、過去6カ月以内にそれらの薬物を使用していたと推定されています。
性行為による感染は非常に稀で、厚生労働省は、仮に配偶者がキャリア(ウィルス持続感染者)であっても、夫婦間での感染は皆無に等しいという見解を示しています。
同じく厚生労働省の調べで、母子感染の危険も少ないことが分かっています。キャリアの女性も、妊娠・出産について、特に心配する必要はありません。
感染すると、どうなりますか?
初めて感染すると、約7割の人がキャリア化します。そのうち7割が慢性肝炎になり、さらに一部が肝硬変や肝臓がんへと進行します。
厚生労働省によると、キャリア100人が適切な治療を受けずに70歳まですごした場合、10〜16人が肝硬変に、20〜25人が肝臓がんになると推測されています。つまり、感染者の約3割は急性肝炎を起こして終わりですが、約7割で肝臓の炎症が続き、最終的に約2割が肝臓がんになるというわけです。
感染が分かったら、キャリアなのか、あるいは「過去に感染したが治癒した感染既往者」なのかを調べます。キャリアであることが分かったら、肝臓の状態や年齢などを総合的に考慮した上で、治療方針を決定します。
どのように治療するのですか?
基本は、抗ウィルス療法のインターフェロン療法です。まず、感染したウィルスの遺伝子型を調べます。ウィルスの量にもよりますが、遺伝子型によって、治療の有効率(ウィルスが完全に駆除される人の割合)に20〜60%という開きがあるからです。
近年、リバビリンという抗ウィルス薬を併用することにより、従来は最も低かった遺伝子型の有効率も、50%程度まで上がることが分かってきました。インターフェロン療法を過去に試して効かなかった人が、リバビリン併用療法で成功する例もあるようです。
インターフェロン療法は、特に最初の2週間、高熱、筋肉痛、うつなどの強い副作用が起こることがあります。それも考慮し、全身の状態や年齢などから治療に適さない、あるいは治療しても効果がなかった場合は、肝臓庇護療法を行いながら、肝機能の改善や、病気の進行の早期発見と治療を目指します。
※5月は家庭医のニール・シュワルツ先生に、痔についてお聞きします。
