4月のトピック ◆
肝臓がんと肝炎ウィルス


A型肝炎ウィルスの感染経路は?
主に経口感染します。口から入ったウィルスが便の中に排せつされ、その便によって汚染された食品を摂取することで感染します。感染すると、2〜6週間の潜伏期間を経て、A型肝炎という肝臓の炎症を発症します。
どのような症状、特徴がありますか?
症状が急激に悪化して6カ月以内に治る肝炎を、急性肝炎といいます。A型肝炎は急性肝炎で終わり、いったん症状が治まった後は抗体ができるため、B型やC型肝炎の場合と違い、症状が慢性化したり、ウィルスが持続感染したりしないのが特徴です。
軽症の場合、症状は軽い風邪に似ています。風邪だと思っているうちに、いつの間にか治っていることもあります。そうかと思えば、非常に強い急性肝炎が起こり、高熱や吐き気、下痢、全身倦怠感が何日も続き、目や肌の色が黄色くなる黄疸(おうだん)症状が出ることもあります。特別な治療はなく、安静に無理をせず、酒や、肝臓に悪い薬を避けて、自分の免疫がウィルスを撃退してくれるのを待ちます。
さらに炎症がひどくなると、肝不全になる危険があり、肝臓の大切な役割である解毒作用や、体にとって必要な物質の産生と供給が止まります。例えば、血管がけがをした時に血を固めるたんぱく質が産生されなくなり、出血しやすくなります。アルブミンというたんぱく質の減少は、体のむくみや腹水が溜まる原因になります。
解毒作用が落ちると、意識がもうろうとしたり、眠りのパターンがおかしくなり、幻覚を見たりする肝性脳症になることもあります。
慢性肝炎とはどのような状態ですか?
最低6カ月以上続く肝臓の炎症です。炎症が長期化すると細胞が破壊され、肝硬変やがんに移行する可能性がありますが、A型肝炎は慢性化することはありません。
A型肝炎を予防する方法は?
米疾病対策予防センターは、感染リスクの高い国・地域として、メキシコを含む中南米、グリーンランド、アフリカ、中東、アジア(日本と韓国を除く)などを挙げ、渡航者にA型肝炎ワクチンの接種をすすめています。
出発の数週間前までに完了するのが理想ですが、専門家によると、出発直前の接種でも発症予防効果は十分にあるそうです。渡航予定のある方は、比較的直前であっても医療機関で接種をおすすめします。
日本人も最近はいろいろな国を旅行しており、特にニューヨークではエスニック料理を食べる機会も多く、衛生状態が悪い国から輸入された食品を半調理状態で食べ、それらをきっかけに感染する可能性は十分にあります。A型肝炎を発展途上国の病気と考えるのは間違いです。
※次回はB型肝炎ウィルスについてお聞きします。
