4月のトピック ◆
肝臓がんと肝炎ウィルス


肝臓がんとは、どのような病気ですか?
肝臓にできたがんの総称で、日本では肺、胃、大腸に続いて4番目に多く、男性では45歳から、女性では55歳から増加し始めます。肝臓は「沈黙の臓器」とも呼ばれ、初期のがんは特有の症状が少ないことが知られます。
国立がんセンターの調査によると、日本では肝臓がんの80%がC型肝炎ウィルス、15%がB型肝炎ウィルスの持続感染に起因すると試算されています。肝臓がんのほとんどは、肝炎ウィルス感染者の中から発生するというわけです。感染者が肝炎(肝臓の炎症)を発症し、炎症が長期間続くうちに細胞が破壊され、がんに移行すると考えられています。
ただし、すべての感染者ががんを発症するわけではありません。感染者の一部が持続感染状態になり、さらにその一部が慢性肝炎や肝硬変になり、肝臓がんへ進行します(連載第2回以降で詳述)。いったん感染しても、体の免疫機構がウィルスを排除し、抗体が作られる場合もあります。
アルコールもがんの原因になりますか?
大量飲酒はアルコール性肝炎や肝硬変を引き起こしますが、飲酒が原因で肝臓がんが発生する確率は一般的に低いとされています。ただし肝硬変で死亡する人も多く、また肝炎ウィルス感染者では飲酒が肝炎を悪化させるので、特に注意が必要です。
ウィルス感染者はどれくらいいますか?
肝炎ウィルスには、A、B、C、D、Eなど様々な種類があります。厚生労働省によると、このうち日本国内のB型肝炎ウィルス持続感染者(キャリア)は、2000年時点の15〜69歳人口約9300万人の中に、感染を自覚しない状態で86万6000人〜103万1000人程度と推計されています。
日本では、政府の「B型肝炎母子感染防止事業」が1985年6月に開始され、86年以降はすべての妊婦がB型肝炎ウィルス検査を受け、必要に応じ新生児に感染防止措置が公費負担で行われています。その結果、86年以降に生まれた若い世代では、B型肝炎ウィルスのキャリアは0・04%程度と極めて少なくなっています。
C型肝炎ウィルスのキャリアは、2000年時点で推計150万人以上(年代制限なし)。最近は新たな感染が少なく、15歳未満のキャリアは0・02〜0・05%程度と見積もられています。
感染はどのように調べるのですか?
ウィルスの存在を示すたんぱく質(抗原)や、抗体、ウィルスの遺伝子を血液検査で調べます。抗原や抗体が陽性と判定された場合も、抗原の種類や感染力、現在感染しているのか(キャリア)、あるいは感染したが治癒したのか、などを区別するため、複数の検査を組み合わせて実施し、状態を適切に判断する必要があります。
※次回はA型肝炎ウィルスについてお聞きします。
