11月のトピック ◆
睡眠障害と不眠症


不眠症とは何ですか? 症状は?
不眠症は最も一般的な睡眠障害で、成人の約30%が一生に一度は経験すると言われます。主な症状は、なかなか寝つけない、寝ついてもすぐに目が覚める、朝早く目が覚める、目覚めた時に疲労感がある、などです。数日から2、3週間の比較的短期間で治ることもあれば、3週間以上続き慢性化することもあります。
慢性不眠は、時間が経てば自然に治るわけではありません。「もう何年もよく眠れない」という患者さんも少なくありません。
どうして不眠症になるのですか?
病気やホルモンバランスの変化といった身体的理由から、ストレス、不安、うつ傾向などの精神的理由、薬の副作用まで、原因は人によって様々です。不規則な睡眠習慣が引き金になっていることもあります。
不眠症は女性に多く、特に生理の前や始まったばかりの時、妊娠中、そして更年期によくみられます。
どのように治療しますか?
まず、患者さんの心的状態を問診し、「スリープ・ダイアリー(睡眠日誌)」(前回参照)を記入してもらい、生活習慣を詳細に分析するなどして、不眠の原因を調べます。
主な治療法は、睡眠衛生、行動療法、薬物療法です。最初に行動療法を試してみて、症状が改善しなければ薬を処方します。家族を亡くした悲しみで眠れないとか、大事な会議を前にストレスで寝つけないなど、一時的な症状には薬が有効です。慢性不眠は、薬の処方を含め、複数の療法を組み合わせて対処します。
行動療法には、バイオフィードバック療法や刺激制御療法があります。バイオフィードバック療法は、脳波や血圧、心拍数などをもとに体の状態を客観的に評価し、心身をリラックスする方法の習得を目指します。
刺激制御療法は、「ベッドは眠るための場所」という意識を高めるために行います。例えば、ベッドで請求書やレシートを整理する習慣のある人にとって、ベッドは眠るためというよりは、注意力や緊張を要する場所かもしれません。ベッドは睡眠や性生活のためだけに使い、寝つけない時は寝室を出て、眠れそうになったらベッドに戻るなどして、寝室やベッドに対する意識を改革します。
睡眠衛生は、睡眠に影響を与えるような悪い癖を減らす効果があります。
睡眠薬の効き目はどれも同じですか?
医師の処方する睡眠薬は、寝つきの悪さを改善するもの、寝ついてから朝まで夜通し効果が続くもの、睡眠中に目覚める数を減らすものなど、様々な種類があります。睡眠パターンを把握した上で、合った薬を選びます。
また、カモミールやバレリアン(カノコソウ)の根など、ハーブも不眠に効果のあることが知られています。
※次回はその他の睡眠障害についてお聞きします。
