10月のトピック ◆
米国での妊娠と出産


母乳育児はなぜいいのですか?
母乳は赤ちゃんの完全栄養食と言われます。特にお産直後から出る黄色の初乳は、免疫物質がたくさん含まれ、赤ちゃんを病原菌から守ります。
「消化・吸収に優れている」「アレルギーを予防する」「赤ちゃんが乳首に一生懸命吸い付くことで、あごと口の周りの筋肉が発達し、歯並びや発音がよくなる」「母親の温かい愛情を感じ、安心する」などの利点もあります。実際、母乳で育った赤ちゃんは、そうでない赤ちゃんに比べて病気にかかりにくく、突然死や病気による死亡率も低いことが分かっています。体も固太りでしっかりします。
母乳育児は母親にとっても、人工乳の育児に比べて時間やお金、手間が省けます。母乳は温かさが一定なので、欲しがるだけ、いつでも与えられるという利点もあります。子宮収縮を促して産後の回復を早め、授乳自体がリラックスタイムとなって、赤ちゃんへの愛情も深まります。
授乳はいつ始めて、いつ止めるべき?
赤ちゃんは、生まれるとすぐにおっぱいを飲みたがります。ですから、母乳が出ていなくても、出産後30分以内には乳首をふくませましょう。
止める時期は赤ちゃんと母親次第ですが、少なくとも赤ちゃんが1歳を過ぎて、完全に一人で歩けるようになるまでは続けたいです。赤ちゃんの心の準備ができる前に急に断乳すると、赤ちゃんは精神的に不安定になり、夜泣きをしたり、むずがったりします。断乳する前に、「おっばいは、もう止めようね」と語りかけてみましょう。
母乳が出ない人へアドバイスを。
第一に、母乳だけで育てるという強い気持ちを持つことです。初めは十分でなくても、「赤ちゃんが泣いたら吸わせる」を繰り返すと、母乳生産は産後1カ月からでも増加します。少なくとも1日10回20分程度(左右の乳房を各10分)は必ず授乳すること。ポイントは、赤ちゃんの口を乳首に近づけ、深くくわえさせることです。
第二に、母親のバランスのとれた食事です。母乳の90%は水分なので、具だくさんの味噌汁やスープなど、栄養価の高いものをたくさん食べます。血液を作る食べ物(肉、魚、卵、大豆)や緑黄色野菜も大切です。反対に、揚げ物、生クリーム類、過度の乳製品は、乳腺炎の原因になります。
第三に、1日最低8時間の睡眠です。30分や1時間の細切れでもいいので、しっかり寝ます。家事や育児ノイローゼ、ストレスも、母乳が止まる原因になります。周囲の協力を得て、ゆっくり休養をとりましょう。
母乳は必ず出るものです。出が悪いといって粉ミルクを足すと、母乳に一番必要な「吸われる」という刺激がなくなります。出が少なくても、母乳をやる努力をすることが大切です。
※11月は、内科医のアナ・クリーガー先生に、不眠症についてお聞きします。
