10月のトピック ◆
米国での妊娠と出産


妊娠中の検診には何がありますか?
まず初診時(妊娠6〜7週)に、血液型や風疹・麻疹の抗体価、梅毒、B型肝炎、HIVなどの感染や、子宮頸部がんや乳がん、淋病やクラミジアといった病気の検査します。
その後は基本的に、初診から27週までは4週間ごと、28週から35週までは2週間ごと、36週から出産までは毎週という間隔で定期検診をします。毎回、尿検査や体重測定をはじめ、血圧、腹囲、子宮底長、児心音、浮腫などを調べます。
医療機関や保険にもよりますが、通常は妊娠20週に超音波検査をして、胎児の成長や、脳、心臓、鼻、口、手足などの異常、胎盤の位置、羊水などを調べます。ちなみに私のクリニックでは、検診の都度、超音波検査を行います。希望があれば、4D装置を使って、赤ちゃんの立体的な顔写真を撮ることもできます。
他にはどんな検査がありますか?
妊婦さんの年齢が34歳以下の場合は、赤ちゃんがダウン症候群やトリソミー18といった染色体異常、脊椎二分症などの病気を持って生まれてくる確率を調べるため、妊娠15〜20週に、母体血清マーカーテスト(血液検査)を行います。34・5歳以上であれば、羊水検査をして染色体異常を診断します。
40歳に近い場合は、妊娠12週に後頸部肥厚(胎児の首の後ろにできるむくみ)がないかを、血液検査と超音波検査で調べます。
これらのスクリーニング検査は、強制ではなく任意です。妊婦さんが希望すれば、年齢に関係なく受けることができます。
妊娠中の理想的な体重管理とは?
米国では、11〜15キロの体重増加が理想とされています。実際には、20〜30キロも太ってしまい、帝王切開になる確率が非常に高いというのが現実です。全米の帝王切開率は平均24%ですが、ニュージャージーやニューヨークでは50%と、異常に高い病院もあります。太り過ぎは、妊娠性糖尿病や妊娠高血圧症候群の原因にもなります。
体重管理は、お産を安産に導くために欠かせません。妊婦さんの体重から、お産の行方が分かると言っても過言ではないのです。
日本人の場合、妊娠全期にわたる体重増加は、体重40〜60キロの人で8キロが理想、多くても10キロです。10キロを超えると、難産や帝王切開になる確率が非常に高くなります。身長165センチ以上の方は、12キロでも構いません。身長が160センチ以下で、体重が60キロ以上ある人は、5キロが理想、多くて7キロです。
赤ちゃんの出生体重は、2800〜3000グラム以上あれば十分です。体重を毎日計り、夕食は7時までに食べ終えるようにすると、体重を管理しやすくなります。
※次回は妊婦のかかりやすい病気や分娩についてお聞きします。
