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9月のトピック ◆
在米日本人のための心のケア

日本語カウンセリングの大切さ
心と体のメンテナンス
松木 史(ふみ)さん

松木 史(ふみ)さん

ニューヨーク州クリニカル・ソーシャルワーカー及びサイコセラピスト。NYU大学院でソーシャルワーク修士号取得、サイコセラピー研究所卒業。コロンビア大学院、NYU大学院ソーシャルワーク実習生のスーパーバイザーを務めた。1983年から日米カウンセリングセンター勤務、在米日本人のカウンセリングを担当している。

母国語でのカウンセリングの利点は?

母国語の方が英語よりも感情を表現しやすいことです。日本的な怒り方というのは複雑で、英語で表現するように簡単ではありません。セラピーで大切なのは、自分の気持ちと正直に向き合うこと。英語を使うと一線を画してしまい、本当の気持ちを引き出すのが難しくなります。日本が嫌いで渡米した人にとっても、日本語で話すという行為は、自分のルーツにある感情を表に出す上でとても大切なのです。
 
さらに、アメリカ人カウンセラーの場合、日本人クライアントが生まれ育った時代や社会情勢などについて説明しても、微妙なニュアンスまでは分かってもらえません。日本人同士なら、説明しなくても理解できる部分が多いのです。

カウンセリングの方法は?

個別カウンセリングでは、何よりもカウンセラーとクライアントの信頼関係を築くことが大切です。クライアントが正直な気持ちを話せるようになるまで、時間をかけて信頼関係を築きます。サイコセラピー(心理療法)により、クライアントが自分の悩みの根にある問題を深く掘り下げ、自分を分析し理解できるように導きます。
 
カップル・カウンセリングは、2人一緒に受けますが、夫婦間の問題でも、個人の根にある問題が影響していることが多いので、各々が抱える問題を解決する上で、個別にすることもあります。国際結婚の場合、文化の違いを口実に相手を責めるケースも見られますが、文化や習慣の違いは、相手を思いやり、理解する努力があれば解決できるものです。

どんな症状が多く見られますか?

うつやパニック障害、自殺未遂などいろいろです。一見アメリカへの不適応が原因のように見えても、実は日本にいた頃いじめにあって人間関係を築けなくなったとか、幼少時に親から虐待を受けたために、アメリカでも虐待を受けやすい相手を選んでしまう、また人格障害など、日本にいた頃から潜在していた問題が明らかになることがよくあります。
 
うつが最も多く、学校に行けなくなる、会社には行くが大変という人がよくいます。日本での生い立ちや気質、問題解決能力の低さなどが、うつの発症に影響します。15年ほど前から、パニック障害も増えています。呼吸困難、冷や汗、激しい動悸などでER(救急医療室)に運ばれたものの、精密検査を受けても異常がないというケースです。
 
カウンセリングでは、日本にいた頃の親兄弟との関係など、つまずきの原因を掘り下げることで、似たようなつまずきのパターンを繰り返していることに本人が気づき、自分を理解し、気持ちを分析できるように導きます。その中で、他人をもよく理解でき、よりよい人間関係を築いていけるようになります。
 

※次回は、アメリカ生活への適応障害についてお話を聞きます。

Fumi Matsuki Raith
LCSW, BCD
Social Work Supervisor
Japanese Clinic of
Hamilton-Madison House
253 South St., 3rd Fl.
(corner of Rutgers St)
TEL: 212-720-4560/4561
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