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ジンコン総合専門学校

8月のトピック ◆
アルツハイマー病

患者も介護者も元気であるために
心と体のメンテナンス
木村啓子先生

木村啓子先生

内科・老年病科専門医師。アルバート・アインシュタイン医科大学卒業後、メイヨ・クリニックで内科と老年病科の専門教育を修了。ミネソタ大学医学部内科・老年病科助教授を経て今年5月、東京海上記念診療所で診察を開始した。高齢者医療の向上に力を入れる。

家族や友人が病気になってしまったら?

症状が進行すると、患者さんは日常的に家族や周囲の助けを必要とします。

まず健康面では、合併症に注意が必要です。たとえば、食べ物を「飲み込む」という動作が困難になり、食べ物が肺や気道に入って、肺炎を起こしやすくなります。転倒による骨折や頭部の怪我も、場合によっては命にかかわります。

寝たきりになると、床ずれや感染症を起こし、肺に静脈からの血の固まりが詰まる、飛行機のエコノミー症候群と同じ病気になることもあります。ただ、昔は合併症のために発病後5年以内に亡くなる人が多かったのですが、現在は介護ケアが進み、存命年数も延びています。

健康面のケア以外に留意することは?

判断力の低下にともない、乱費や家賃不払いといった、金銭的な問題が生じます。そのため、家族が銀行口座の管理を代行するなどして、患者さん本人には、お金を直接やり繰りさせないようにします。

また、患者さんが自分で医療や金銭に関する判断ができなくなった場合に備えて、代行者を法的に指名する委任状(Power of Attorney)の作成をおすすめします。代行者には、各種リース契約の解約や、延命措置の判断をする権利が与えられます。ここで大切なのは、患者さんが予め、自分の意思を明示しておくこと。症状が進行する前に、家族と話しておくといいでしょう。

精神面で必要なサポートとは?

患者さんの話に、いつでも耳を傾ける態度を示すことです。穏やかで落ち着いた家庭環境は、行動面の症状緩和に役立ちます。対照的に、大勢の人に囲まれた騒々しい環境や、物忘れをしないよう何度も念を押す、難しいことを要求する、といったプレッシャーは、好ましくありません。混乱を生じ、思考能力の低下につながります。

介護者を支援する仕組みは?

介護者には、物理的にも精神的にも大変な負担がかかります。介護に追われて自分の健康が後回しになり、倒れてしまう人も少なくありません。そうならないためには、介護スケジュールを立てて、自分の時間を無理にでも作ってしまうことです。家族や知人、あるいは高齢者施設や介護施設のサービスを、上手に利用して下さい。

患者さんの人格が変わってしまい、それに傷つくこともあるでしょう。でも、病気と割り切って、いちいち気にしないことです。疑問や不安は、専門家や周囲の人に相談し、自分の中にためないようにしましょう。患者支援グループに参加し、精神的サポートを他人に求めることも大切です。支援グループについてはアルツハイマー病協会ウエブサイト(www.alz.org)で。
 
※来月は、日米ソーシャルサービスの松木史先生に、在米日本人のための心のケアについてお聞きします。

東京海上記念診療所
Japanese Medical Practice
Westchester Office
141 S. Central Ave., Suite 102
Hartsdale, NY 10530
TEL: 914-997-1200
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