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8月のトピック ◆
アルツハイマー病

スクリーニングと診断方法
心と体のメンテナンス
木村啓子先生

木村啓子先生

内科・老年病科専門医師。アルバート・アインシュタイン医科大学卒業後、メイヨ・クリニックで内科と老年病科の専門教育を修了。ミネソタ大学医学部内科・老年病科助教授を経て今年5月、東京海上記念診療所で診察を開始した。高齢者医療の向上に力を入れる。

どのように診断するのですか?

アルツハイマー病かどうかを確実に診断する検査は、今のところまだありません。確実な方法があるとすれば、それは脳の組織を調べること(脳生検)です。ただ、この方法は体に大きな負担をかけるため、そう簡単に行うわけにはいきません。

そこで、記憶力や判断力の低下などでアルツハイマー病の症状が疑われる場合、まず初めにすべきことは、脳腫瘍や脳卒中など脳内の他の病気がないこと、ホルモン異常、精神障害など、他にアルツハイマー病と似た症状を呈する病気がないかを、確認することです。

例えば、本人も気付かないような小さな脳卒中が起きて、脳への血流が一時的に阻害されていることが原因であることもあります。パーキンソン病やうつ病でも、アルツハイマー病と似たような症状が起こります。特にうつ病は、同世代の友人や配偶者に先立たれた孤独感、収入のない不安感などから、高齢者に多い病気です。うつ病によって判断力が鈍くなり、簡単なことすらできなくなることはよくあります。

以上のような、他の病気や病態がないことを確認した上で、アルツハイマー病の症状や、コンピューター断層撮影(CTスキャン)などの、脳の画像検査結果等を総合的に判断すれば、アルツハイマー病の診断は9割の正確さで行うことができるとされています。

診察では具体的に何を調べますか?

まず、健康状態、病歴、「これまで問題なく出来ていたことが難しくなった」など、普段の生活に支障が生じていないかなどを問診します。家族など身近にいる人たちからも、普段の生活の様子を聞きます。

次に、血液検査を行い、甲状腺ホルモンやビタミン、梅毒の感染などを調べます。甲状腺ホルモンの低下やビタミン不足は、脳の働きを鈍化します。これらの場合は、ホルモンやビタミンを補充する治療で、症状は改善します。梅毒も脳への影響があり、抗生物質で治療します。

記憶力、問題解決力、集中力、計算力、言語力を調べるため、質疑応答形式のテストを行うこともあります。例えば、「今日は何曜日ですか」「動物の名前をできるだけたくさん挙げてください」といった質問で、記憶障害の有無や、それが長期記憶の障害か、あるいは短期記憶の障害なのかを判断します。他の典型的な質問(課題)としては、三つの物を覚えて、後で思い出す、文を書く、引き算の問題を解く、などがあります。

問題の程度をさらに詳しく調べるため、神経心理学テストを行うこともあります。このテストは、特に初期のアルツハイマー病や認知症の発見に有効です。

CTスキャン、磁気共鳴映像法(MRI)、陽電子放出断層撮影(PET)といった、脳の画像検査をすることもあります。
 
※次回は治療法についてお聞きします。

東京海上記念診療所
Japanese Medical Practice
Westchester Office
141 S. Central Ave., Suite 102
Hartsdale, NY 10530
TEL: 914-997-1200
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