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8月のトピック ◆
アルツハイマー病

未解明な部分が多い発病原因
心と体のメンテナンス
木村啓子先生

木村啓子先生

内科・老年病科専門医師。アルバート・アインシュタイン医科大学卒業後、メイヨ・クリニックで内科と老年病科の専門教育を修了。ミネソタ大学医学部内科・老年病科助教授を経て今年5月、東京海上記念診療所で診察を開始した。高齢者医療の向上に力を入れる。

アルツハイマー病の原因は何ですか?

記憶力や判断力の低下といったアルツハイマー病の症状は、脳の神経細胞が死滅し、思考や記憶を制御する信号のやり取りに支障が生じることで起こります。神経細胞の死滅を起こす原因は、残念ながら、今のところまだ解明されていません。

原因解明の手がかりとして注目される脳の異常に、ベータ・アミロイドと呼ばれるたんぱく質の沈着(プラーク)と、タウというたんぱく質繊維の「ねじれ」があります。

プラークは、たんぱく質の遺伝子変異が原因で発生し、患者の脳の約10%にみられます。一方、タウのねじれは、神経細胞を破壊し、最終的に死滅させると考えられています。

患者さんの一部には、脳の炎症があることも分かっています。そこで、炎症とプラークの関係や、炎症が神経細胞に与える影響などが研究されています。

発病の傾向や、男女差は?

長年の研究の結果、患者さんのいくつかの特徴が明らかにされています。

まず、患者さんの年齢は、65歳以上が多いということです。発病率は、65〜74歳で5%未満、85歳以上では、ほぼ50%に急増します。40歳以下で発病するケースも、ごく稀にあります。

また、患者さんは、男性より女性に多いことが分かっています。しかし、それは一般的に女性の方が長生きするためであり、性による医学的な違いではないとされています。

遺伝的な要素がありますか?

親や兄弟・姉妹の一等親血縁者に患者さんがいる場合は、発病率がわずかに高いようです。家族間の遺伝的メカニズムは、まだほとんど分かっていませんが、発病と関連する、いくつかの遺伝子異常が見つかっています。

他に考えられる危険因子は?

ライフスタイルも、発病リスクと関係があるようです。例えば、高血圧症、高脂血症、糖尿病、肥満、そして運動不足は、発病の危険を高める可能性が指摘されています。また、健康に気を付けるだけでなく、精神的にも生き生きと暮らしている人は、発病リスクの低いことが一部の研究で示されています。

教育レベルの高い人は、発病リスクが低い、という説もあります。これは、脳を使えば使うほど、脳の信号伝達回路であるシナプスが形成され、年をとっても発病しにくい、という理論です。

特定の金属や化学物質の影響も、長年研究され続けています。特にアルミニウムは、一部の患者さんの脳に沈着していることから、原因物質として名指しされることの多い物質です。しかし、現時点では、特定の物質が発病リスクを高める証拠は見つかっていません。

 
※次回は診断方法についてお聞きします。

東京海上記念診療所
Japanese Medical Practice
Westchester Office
141 S. Central Ave., Suite 102
Hartsdale, NY 10530
TEL: 914-997-1200
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