8月のトピック ◆
アルツハイマー病


アルツハイマー病とは何ですか?
脳の細胞が徐々に死滅し、脳全体が萎縮する病気です。基本的に65歳以上の高齢者の病気ですが、ごく稀に40代や50代で発病することもあります。米国では、すでに400万人が発病しているといわれます。社会の高齢化に伴い、その数は2050年までに3倍に増えると予想され、患者と介護者双方に対する経済的、社会的、そして精神的支援の充実が急がれます。
病気を治す方法はまだ見つかっておらず、現在は、患者さんの生活の質を改善する治療に重点が置かれています。症状の進行を阻止、あるいは遅らせる薬剤の開発も進んでおり、今後の進歩が期待されます。
一般的な病気の兆候と症状は?
久しぶりに会った人の名前を思い出せない、車の鍵を置いた場所を忘れてしまう、といった「物忘れ」は誰にでもあります。アルツハイマー病と単なる物忘れの違いは、アルツハイマー病の患者さんは、ごく最近の出来事や、家族など親しい人物の名前が思い出せず、認識もできないことです。
一般的な症状は、まず物忘れの悪化です。記憶力のわずかな低下や混乱に始まり、次第に同じことを繰り返し、会話や約束を忘れたり、日常的に物を置き忘れたりします。症状の進行とともに、家族の名前や、身近な物の名前も思い出せなくなります。
次に、抽象的思考の衰えです。例えば、ズボンは片足ずつ入れて最後に腰まで引き上げるといった、これまでできていた一連の行動が、誰かが教えないとできなくなります。数字の認識も困難になり、簡単な計算が厄介になります。
会話中に、適当な言葉を見つけるのも難しくなります。いわゆる「言葉が出てこない」という状態です。読み書きも影響を受けます。
時間や場所も、認識できなくなります。日ごろ慣れた場所も、それがどこなのか分からなくなるのです。そのほかに、判断力の衰えが挙げられます。フライパンで食べ物が焦げていてもどうすればいいか分からないなど、ごく日常的なことへの対処が難しくなります。
人格が変わるのもこの病気の特徴です。気分にムラがあり、他人に不信感や頑固さを示し、社会生活から遠のき、落ち着きもなくなります。妄想に囚われて、攻撃や不適切な行動が見られることもあります。
認知症との違いは何ですか?
認知症とは、脳や体の疾患を原因として、記憶・判断力などの障害がおこり、普通の社会生活が送れなくなった状態すべてをさします。アルツハイマー病は、認知症の最も一般的な原因の一つにあたります。アルツハイマー病の記憶障害の特徴は、最近のことが思い出せないことです。子供時代のことは覚えているが、今の大統領の名前は分からない、という具合です。
※次回は原因とリスク要因についてお聞きします。
