6月のトピック ◆
ドメスティック・バイオレンス


被害に関する統計はありますか?
当センターのホットラインには、年間3000件以上の相談が寄せられ、400人以上のDV被害者が救援されています。その統計をみると、9割以上が英語以外の外国語を母国語とし、8割以上は身体的虐待を受け、その他は脅しやストーカー行為など心理的な虐待を受けています。2006年度の被害統計をアジア言語圏別にみると、中国人女性が全体の54・9%(209人)、日本人女性が次に多く15%(57人)、韓国人女性は10・5%(40人)です。
ブルックリン地方検事局の統計によると、全米の女性の2、3割が、一生のうち最低1回は身体的虐待を受けているそうです。パートナーにDVの末に殺害された女性は1500人(2000年度統計)、緊急治療室(ER)を訪れた女性のうち、DV被害者は全体の37〜54%に上り、全米のアジア系女性の4〜6割がDVを経験しているとされています。
子どもを持つ被害者のケースは?
当センターのクライアントの半数は子供のいる女性です。
「子どもができれば夫の暴力が止まるはず」と信じている被害者もいますが、これは大きな誤解です。アメリカの助産師の情報誌で発表された98年の調査結果では、妊婦が暴力にあう確立は、妊娠していない女性に比べて60%以上も高いと報告されています。
妊娠期間中に夫やパートナーが経験するストレスが不満となり、その根源である妊婦や胎児へ向かうことが原因と考えられています。妊娠後期には「動作が遅い」などを理由に女性への虐待が悪化する場合もあり、出産後には「子どもに危害を与える」と妻を脅す、子どもを味方につけて妻に疎外感を与えるなど、子どもが虐待の道具に利用されることもあります。
国際結婚の場合、英語が母国語である夫と子どもが、英語力が足りない妻を責めるパターンも多く見られます。
DVを目撃した子どもへの影響は?
親が虐待を受けるのを見て育った子どもは、心的トラウマを残すことがあります。感情をうまく表現できない子供が示すSOSのサインとして、集中力の欠如、衝動性・攻撃性、感情の制御困難、低い自己評価、不安・抑うつ症状などがあります。
女の子は手首を切るなどの自傷行為、男の子は暴力行為やドラッグなどの非行行為に走りやすいことが報告されています。「子供が非行に走ったのは(母親である)自分の育て方のせい」と自責せず、DVを目撃した子供の心的トラウマがその背景にあると認識することが大切です。NYAWCでは、そうした心的トラウマを抱える子どもの個人カウンセリングも提供しています。
※次回は、DVの被害者になった時の対策について、お話を聞きます。
