6月のトピック ◆ ドメスティック・バイオレンス


DV加害者の性格・傾向とは?
加害者の性格を一言で言い表すことは無理ですが、共通する特徴はあります。例えば、自分は悪いことをしているという意識がなく、悪いのは相手(虐待の被害者)であり、「相手のせいで自分はこうなった、自分は犠牲者だ」と信じているケースです。このようなタイプは、カウンセリングでの成果は期待できないのが現実です。
自信のなさや憂うつな気持ちを隠すために、他人に対して傲慢にふるまう場合もあります。嫉妬心や所有欲が強く、パートナーの行動を常に詮索し、パートナーが少しでも他人に興味を示すと、敵意を表したりします。相手からの関心・サポート・服従を100%期待する一方で、自分自身は自由奔放に振る舞う傾向もあります。
DV加害者は、どうすればパートナーに罪の意識を感じさせられるかを熟知し、パートナーが逃げ出しそうな時に「自殺する」と言って脅したり、自殺未遂やストーカー行為で恐怖を与えるなどの心理操作を使うことがあります。過去に犯した暴行事件や逮捕歴を自慢する、凶器(銃やナイフ)を被害者の目の前で手入れするなどして、被害者の恐怖感情を煽ることもしばしば見られます。
飲酒やドラッグとDVの関係は?
被害者の中に、「夫の暴力は飲酒やドラッグのせい」と思い込んでいる人がいますが、これは正しい認識ではありません。DVと飲酒・ドラッグの因果関係を裏付ける科学的なデータはないのです。加害者が暴力を振るう際に、飲酒やドラッグの影響下にあることが多いとの報告はありますが、彼らがそれらをやめても虐待が継続して起こるケースがあります。
酒・ドラッグの影響下にある人が、暴力行為に出ることを自覚していることも報告されています。これは、加害者が虐待行為を選択していることを意味します。いかなる理由であれ、虐待行為は正当化されてはいけません。アルコール依存症やドラッグの更生プログラムを受けてDVの度合いが軽減する人もいますが、本人に加害者としての自覚がない場合、DVが止まる可能性は少ないのです。
DVが起きる背景には何がありますか?
家庭で親の虐待を見る、もしくは親から虐待を受けて育った子供は、自身が困難に面した際、見知った「虐待」という方法を問題解決法として選ぶ可能性が高く、虐待に対する問題意識が欠如していることがあります。メディアによる「強い男性像」の押し付けも、問題視されています。 ただし、育った家庭環境やメディアの影響が、DVの直接的な原因とは言えません。DVに走るのは、あくまでも加害者本人の「選択」であり、外的な影響がDVを生んでいるわけではないのです。
※次回は、被害統計と、子供への影響についてです。
