5月のトピック ◆ 小児期の歯科治療とケア


小児期の虫歯予防はなぜ大切?
赤ちゃんの虫歯はなぜできるのですか?
虫歯は、口の中にあるミュータンス菌などの細菌と、歯に長い間ついている歯垢が原因でできます。口の中の細菌が歯垢と結合すると、酸性の物質が生成されて歯の表面に粘着し、この酸が長時間歯についていると、やがて歯のエナメルを溶かしてしまうのです。糖分は細菌の栄養になるので、口の中の糖分が増えると、虫歯もできやすくなります。
生まれたばかりの赤ちゃんの口には、ミュータンス菌などの細菌は存在しません。これらの細菌は、最初の歯が生えてくる生後6、7カ月ごろまでに、親や年上の兄弟から感染すると言われています。お母さんが離乳食をかみ砕いて子供に与えたり、家族とスプーンや箸などの食器を共有する際に、親や家族の口の中にあった細菌が、赤ちゃんの口に入るのです。
よく赤ちゃんが、哺乳瓶やジュースの瓶を口にくわえたまま、うとうと眠ってしまうことがありますが、これでは糖分が口の中に長時間残ってしまうので、虫歯の原因になります。できれば、赤ちゃんが眠ってしまう前に、水を少し飲ませるのが理想的です。
乳歯が虫歯になるとどんな影響が?
「乳歯はどうせ抜けてしまうのだから、虫歯になっても大丈夫」という思い込みは、大きな間違いです。乳歯が虫歯になって、抜かなければならなくなると、その後に生えてくる永久歯に影響が出てしまいます。乳歯を抜くと、その空いたスペースに、後方の歯が倒れて入り込んでしまうことがあります。すると、永久歯が生えるためのスペースが狭くなり、生えてこないこともあれば、ゆがんだ形で生えることもあるのです。
乳歯は、永久歯より虫歯の進行が速いので、一度虫歯になると、痛みが出て抜かなければならないことがよくあります。しかし、小さな子どもはじっとしていることができず、口を大きく開けて治療に協力することがなかなかできません。子供の時に虫歯の痛みや治療への恐怖を抱いてしまうと、成人してからも歯科医に対する恐怖を持ち続けてしまうことがあります。
子供に痛みや恐怖を経験させないためにも、乳歯が虫歯になる前に、歯のケアを行い、虫歯を予防することは大変重要なのです。
丈夫な歯はなぜ大切なのですか?
丈夫な歯でしっかり食べ物をかみ砕かなければ、栄養を十分に吸収することはできません。言葉を正しく発音し、はっきりした口調で話すためにも、丈夫な歯が必要です。
少なくとも子供が6歳になるまでは、両親が子供の歯のケアをしっかり行うことが肝心です。虫歯予防は、乳歯が生え始めたらすぐに始めましょう。子供の歯だけでなく、家族も一緒に歯磨きやフロスを行い、虫歯予防を家族ぐるみの習慣にすることが大切です。
※次回は、小児期の虫歯予防の方法について、お話を聞きます。
