3月のトピック ◆
肥満とその健康被害


肥満になると体にどんな影響が?
肥満そのものは病気ではありませんが、改善しなければ、病気になるリスクが高いということです。最も多く見られる病気(症状)は、糖尿病、高血圧症、高脂血症で、心臓発作や脳梗塞の原因になります。肥満の人はそうでない人に比べ、糖尿病のリスクは10倍、心臓発作のリスクは7倍という報告もあります。
最近問題になっているのは、肝臓に脂肪が溜まった状態の脂肪肝の増加です。肝臓は肝炎やアルコールでも悪くなりますが、実はこれらが原因の病気はだんだん減っており、対照的に脂肪肝が影響するケースが目立って増えています。脂肪肝は体重を減らせば改善できますが、自覚症状がなく、肝機能検査や超音波検査を受けて初めてわかることの多い「見えない病気」だけに恐ろしく、今や肝不全の最大因子の一つです。
体重が増えると体の各所に負担がかかり、ひざ、腰、背中の痛みといった問題も出てきます。大腸がん、乳がんなど、肥満によってかかりやすくなるがんもあると言われています。
肥満が精神に与える影響は?
学校や職場で体型をからかわれたり、あるいはもっと深刻なイジメや差別の対象にされ、ストレスやうつ傾向に陥ることが心配されます。太めの人は相手が自分をどう思うかを気にして不安になり、行動も消極的になりがちです。
社会的にはどんな影響がありますか?
最も大きな影響は、肥満人口の増加に伴う医療費の増加でしょう。米政府の調べでは、肥満に関わる直接・間接コストは、95年の990億ドルから、2000年は1170億ドルに増えました。00年の直接コスト、610億ドルのうち、ほとんどは2型糖尿病、冠状動脈性心臓病、高血圧の治療に関するものでした。間接コストの560億ドルには、肥満が原因の病気や身体障害で働けなくなった人や、若くして亡くなった人の失われた賃金価値や生産性が含まれます。
肥満人口は大変な勢いで増えており、同時に糖尿病など病気を持つ人も増えています。つまり、病気のリスクを抱えた予備群が次々と発症しているのです。米国では子供と若年者の肥満が爆発的な増加傾向にあり、彼らが成人して発症し、例えば働き盛りの50代で働けなくなる可能性もあるわけです。肥満人口を減らさない限り、コストはこれからも増える一方です。
太った人は短命というのは本当?
肥満指数(BMI)30以上の人の若年死亡リスクは、30未満の人の4倍というショッキングな調査結果があります。例えば40歳の人の場合、肥満の人の余命はそうでない人に比べ、6、7年も短いということです。病気になる前に、リスクの改善に取り組みましょう。
※次回は肥満の改善と予防についてです。
