3月のトピック ◆
肥満とその健康被害


肥満とは、どのような状態ですか?
一般的に言えば、太り過ぎの状態です。普通、肥満の判定には、肥満指数(BMI)を使います。BMIは体重(㎏)を身長(m)の2乗で割って算出します。米国ではBMI25以上を太り過ぎ、30〜39を肥満、40以上を超肥満、日本では25〜29を肥満度I、30〜34を肥満度Ⅱ、35〜40を肥満度Ⅲとしています(日本肥満学会)。
米国の肥満人口は過去20年間で劇的に増加し、米疾病対策予防センター(CDC)によると2005年は成人男女の66%が太り過ぎ、30%が肥満(超肥満を含む)でした。日本では2004年、30〜60歳の男性の約30%、女性の約20%がBMI25以上の肥満でした。過去10年間に女性は肥満者の割合が減ったのに対し、男性は5〜8%増えています(厚生労働省調べ)。肥満はメタボリックシンドロームの一大因子として、糖尿病、心臓病、脳卒中など様々な病気のリスクを高めることがわかっており、深刻な社会問題として対策が急がれています。
見た目に痩せていれば大丈夫ですか?
必ずしもそうとは限りません。病気のリスクは体内の脂肪、特に内臓の周りにつく脂肪の量に関係しているからです。外から見える部分は細くても、お腹だけ出ている人は要注意。日本肥満学会は、日本人の場合、おへそ周りが男性で85センチ以上、女性で90センチ以上を内臓脂肪型肥満としています。
体脂肪を厳密に調べるには、MRIやCT検査が有効です。しかし、肥満の一般診療では、体脂肪計で体に感じられない程度の弱い電気を通し、その通り具合から体脂肪率を測定する、バイオインピーダンス法が主に使われます。
BMIは簡単に算出できて、わかり易い基準ですが、骨の太さや筋肉量といった個人差が反映されず、大雑把過ぎるとの批判もあります。例えば筋肉は脂肪より重いため、スポーツ選手など筋肉質の人は、脂肪は少ないが体重は重くなりがちです。反対に脂肪は多いが筋肉の少ない人は、体重が比較的軽かったりします。このため肥満の判定には、BMIを基準に、ウエスト径(おへそ周り)や体脂肪率なども補助的に考慮するといいでしょう。
日本人の肥満の特徴は何ですか?
アジア人は、肥満度が小さい割に糖尿病にかかりやすいことがわかっています。遺伝子や体質に原因があると考えられますが、ひょっとしたら、アジア人には内臓脂肪型肥満が多いのかもしれません。日本人も特に中年以上の人で、お腹だけポコッと出た体型の人がよく見られます。米国人に比べて肥満者の割合が少ない日本人ですが、糖尿病の割合は高く、米国人と同じ体重の増え方でも、病気のリスクはむしろ日本人の方が心配する必要があります。
※次回は肥満の種類と原因についてお聞きします。
