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2月のトピック ◆ 無痛分娩

米国の産科病院の態勢と誘発出産
心と体のメンテナンス
今井陽介先生

今井陽介先生

麻酔専門医。在米39年。金沢大学医学部外科卒業、アルバートアインスタイン医科大学麻酔科修練。ニューヨーク州のウエストチェスター・メディカルセンター勤務後、1977年からニューヨーク州ウエストチェスター郡ブロンクスビルのローレンス病院に麻酔医として勤務。

誘発出産とはどんな出産方法ですか?

分娩予定日が近くなり、もし出産時に何らかの問題が予想される場合には、日を決めて、出産を早めに行うことがあります。たとえば、胎児の異常、胎盤異常、羊水異常、高血圧、妊娠中毒症、糖尿病などの場合、最近では、かなり広い範囲で適用されています。
出産日を決めて、その前日か当日の朝に入院し、陣痛促進剤を入れて、その日のうちに出産します。出産日がわかるので、夫やパートナーが、その日に合わせて仕事を休むこともできます。実際これによって、米国では、夫やパートナーが出産の初めから終わりまで付き添う場合がほとんどです。
平日の昼間など、病院側のスタッフが万全に揃っている状態で行えるため、万が一トラブルが起きても迅速に対応できます。仕事を持つ女性にとっては、休暇に合わせて出産日を選べる上、無痛分娩で陣痛による体力消耗を防ぐことで、産後の職場復帰も楽になるという利点もあります。

米国の産科病院の受け入れ態勢は?

ニューヨーク市内や近郊では、麻酔専門医の数も多く、24時間いつでも無痛分娩に対応できる病院が多いなど、医療環境が大変整っています。そのため、無痛分娩を選択する人が全国平均より多く、7割近くに上ります。
日本のように出産間際になって分娩室に行く必要がなく、病室で出産できるのも利点です。
多くの病院には、産科医はもちろん、麻酔医も24時間待機しています。麻酔医が少ない郊外などの病院では、麻酔を使用する資格を持つ看護師が対応するケースもありますが、その場合も麻酔医が指導監督することが義務づけられています。
また、米国には、病院合同認定委員会(JCAH)という、医療機関の視察を行う有力な民間団体があり、2、3年ごとに国内の病院の設備や医療方針、労働条件などの厳しい審査を実施しています。
病院側は、この審査に合格しないと評判が悪くなり、営業できなくなる可能性もあるため、常に最新設備や優秀な医療スタッフを揃え、医療ケアの質の向上に努めています。こうした民間視察団体の厳しい目と病院側の努力も、米国の医療ケアを高い水準に保っている一つの背景と言えるでしょう。

無痛分娩を希望する人にアドバイスを。

米国では、無痛分娩が普及していて、いつどこでも頼めば受けられるようになっています。無痛分娩を受ける際には、事前に産科医と相談をして、希望を伝えておくことが大切です。陣痛が始まって病院に来るように言われたら、飲み物や食べ物は絶対に控えることが大切です。
 使用する麻酔は、硬膜外麻酔か腰椎麻酔ですが、そのどちらかを麻酔医と産科医が状況に応じて決めますので、特に指定する必要はありません。


※来月は、内分泌・代謝科専門医の柳澤貴裕先生に、肥満とそれに伴う疾患や症状について伺います。

Anesthesiologist
American Board of
Anesthesiology Certified
Lawrence Hospital
Bronxville, NY 10708
TEL: 914-787-1150
yimai@optonline.net
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