2月のトピック ◆ 無痛分娩


麻酔にはどんな種類がありますか?
麻酔と聞くと不安に思う人もいるかもしれませんが、現代の医療では、ひと昔前に比べて使用される麻酔薬が安全で少量になり、副作用の心配は、軽い症状以外はほとんどありません。局所麻酔薬のブピバカインが最も一般的で、このほか痛み止め効果を強め、麻酔効果を持続させる目的で、モルヒネやフェンタニルも使用されます。
麻酔方法には、鎮痛剤の静脈注射、局所麻酔、硬膜外麻酔(エピドゥーラル)、腰椎麻酔(スパイナル、または最近はイントラセィーカルとも呼ばれる)、全身麻酔があります。通常は、主に硬膜外麻酔と腰椎麻酔が使用され、妊婦さんが眠ってしまうような麻酔は使いません。
鎮痛剤の静脈注射は、潜伏期といわれる出産の初期段階のみで、陣痛が始まっても硬膜外麻酔を始めるにはまだ早すぎる場合に使います。局所麻酔は、出産直前に会陰切開が必要となった場合に、麻酔を受けていなかったり、麻酔の効果が弱まっている時に、膣の周りだけを麻酔する目的でよく使われます。全身麻酔は、帝王切開や緊急手術の場合にのみ使われますが、通常はまず使いません。
現在、最も一般的に使われる麻酔は?
15年ほど前までは、硬膜外麻酔が主流でした。しかし、この10年間で麻酔医療が急速に進み、現在は硬膜外麻酔のほかに、さらに麻酔の量が少なくてすむ腰椎麻酔という方法も取られています。日本では、無痛分娩というと、今でも硬膜外麻酔が主流のようですが、米国では腰椎麻酔も硬膜外麻酔と同じくらいの頻度で使用されます。
硬膜外麻酔と腰椎麻酔は、効果が現れるまでの時間や、持続時間、注入する薬の量や針の大きさ、副作用などに違いがあります。妊婦さんのケースが初産か経産か、また出産時の状況などによって、どちらの麻酔を使うか、または併用するかを、産科医と麻酔医が妊婦さんと相談して決めます。
帝王切開に使われる麻酔は?
分娩が長引いて赤ちゃんが産まれにくい場合や、モニターの心拍数が落ちてきて、赤ちゃんの状態が危険だと判断された場合ほか、様々なケースで帝王切開を行います。
帝王切開は腰椎麻酔で行われるのが普通ですが、すでに硬膜外麻酔が入っている場合には、硬膜外麻酔をそのまま使うことができます。緊急の帝王切開の時にだけ、全身麻酔が使われます。
帝王切開で全身麻酔をかける場合は、赤ちゃんに対する麻酔の影響を少なくするため、素早く赤ちゃんを取り出す必要があります。通常、麻酔薬を注入してから10分以内、切開を始めてから5分以内に赤ちゃんを取り出せるので、 母子が危険な状態になることは、ほとんどありません。
※次回は、硬膜外麻酔と腰椎麻酔の方法について、詳しくお話を聞きます。
