12月のトピック ◆ 女性尿失禁の診断と治療法


どのような治療法がありますか?
切迫性尿失禁の場合、運動療法、薬物療法、外科的療法などがあります。テレビや雑誌で最近よく見かける尿失禁治療薬の広告は、ほとんどが切迫性の症状を対象にしています。
まず、ケーゲル体操やバイオフィードバック(先週号を参照)を行い、尿道や膀胱を支える筋肉を鍛える運動を始めます。急に強い尿意を感じても、膀胱下部の筋肉を収縮してトイレまで尿道を閉鎖すれば、尿漏れを防ぐことができるからです。
更年期の女性は、女性ホルモンの不足から尿道の表面や膣が乾燥し、筋肉の収縮が阻害されていることがあります。この場合は、女性ホルモンの一つ、エストロゲンをクリームなどで膣に補うことが、症状の改善に役立ちます。
薬物の働きと治療の効果は?
少なくとも5〜7種類の薬剤が一般的に使われており、錠剤、パッチ型などの違いはありますが、いずれも基本的に膀胱を弛緩(リラックス)させ、膀胱の過剰な活動を緩和します。
副作用は、口内の乾燥、残尿感、便秘などですが、稀にしかありません。
一般的に、急な尿意を感じる回数、または尿漏れの回数を、40〜50%減らすことができます。例えば、1日あたりトイレに行く回数が20回の人は10〜12回程度に、尿漏れの回数が8回の人は4、5回になります。症状が完全になくなる人もいます。
薬物療法は多くの人に効果的ですが、特定の緑内障の患者など、薬剤が使えない人もいます。緑内障は高齢になるほど増える病気で、尿失禁の薬により、症状が悪化する危険があります。
マイナス点は、薬剤の服用を止めると、症状がぶり返すことです。高血圧症の人で治療薬の服用を中止すると血圧が上昇するのと同じように、尿失禁も症状が軽減した状態を保つには、薬を飲み続けなければなりません。
その他、顔の皺を目立たなくするために使われるボトックスを使用し、膀胱の過剰な活動を抑える方法もあります。米食品医薬品局(FDA)はボトックスのこの目的での使用を認めておらず、現在はオフラベル(適応外)で使用されています。
外科的療法には何がありますか?
腹圧性と同様に、切迫性治療でも低侵襲手術(ミニマリー・インベイシブ・サージェリー)が一般的です。
膀胱の働きをコントロールする神経系の障害に原因がある場合は、特殊な電気刺激装置を体内に埋め込み、神経のコントロールを補助する方法もあります。装置は小さいので、処置後の日常生活に支障はありません。
この方法は一層の開発が進められており、装置の機能改善と小型化などが試みられています。
※新年号から1月にかけては、看護士の関久美子さんにインファントマッサージについて伺います。
