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12月のトピック ◆ 女性尿失禁の診断と治療法

治療の選択肢多い腹圧性尿失禁
心と体のメンテナンス
スコット・スマイレン先生(写真)

スコット・スマイレン先生(写真)

ニューヨーク大学医学部産婦人科助教授、泌尿婦人科・婦人科再建外科(Urogynecology and Reconstructive Pelvic Surgery)部長。

クリスティーナ・クォン先生
ニューヨーク大学医学部産婦人科助教授、泌尿婦人科専門医。

腹圧性尿失禁の治療法は?

運動療法、薬物療法、外科的療法などがあり、症状の程度やそれぞれの患者の状態を考慮して判断します。
まず運動療法ですが、腹圧性は主に加齢や出産に伴い、尿道や膀胱を支える筋肉が弱くなるか損傷し、尿を膀胱に封じ込めておけなくなることが原因なので、弱った筋肉を鍛える運動が特に有効です。
自分で簡単にできる運動に、ケーゲル体操があります。膣の周りの筋肉を締めては緩めるという運動で、排尿をコントロールする尿道周囲の筋肉、および骨盤底筋の強化に役立ちます。特に出産後にすると効果があります。
ほかに、バイオフィードバックという一種の理学療法(フィジカルセラピー)があります。コンピューター化された専門機器を用いて骨盤底の筋肉の状態を測定し、集中的に筋力強化訓練を行います。週1回、約30分のセッションを3カ月ほど続けます。

外科的療法では具体的に何をしますか?

近年は、体への負担の小さい低侵襲手術(ミニマリー・インベイシブ・サージェリー)が一般的に行われています。
私たちがよく行う尿道中部スリング手術では、膣からメッシュ状のテープ(紐)を挿入し、ハンモックのように尿道を下から支えます。局部麻酔で行い、処置時間は約30分。腹部を切開しないため、ほとんどの患者が手術と同日に帰宅し、1週間以内に普通の生活に戻ります。患者の85〜90%で症状が完治し、5〜10%で軽減するなど、治療成績は大変優秀です。 
この方法は96年に登場と比較的新しいのですが、これまでの調べで処置後8年目も1年目に比べ効果に遜色のないことがわかっており、長期的有効性も期待できそうです。

薬物療法の効き目はどうですか?

いくつか薬剤はありますが、これまでの研究では、あまり効果はないようです。
尿道に沿ってコラーゲンを注射し、尿道を支える筋肉を強化する方法は、一部の患者には有効です。麻酔不要の10分程度の簡単な処置ですが、効果が長持ちしないため、半年か1年ごとに注射を繰り返す必要のあります。一度の注射で長期的効果を期待する30、40、50代の人には不向きかもしれませんが、処置が簡単なので、高齢者には便利な治療と言えます。

治療器具にはどんなものがありますか?

ペッサリーと呼ばれる小さな円盤のようなものがあります。これを膣に入れ、膀胱を適切な位置で支える方法です。避妊具のペッサリーと似ていますが、これは特に尿漏れ対策用にデザインされたものです。医師が患者に合ったサイズを選び、着脱の方法を指導します。尿漏れのひどい人には向きません。
 

※来週は切迫性尿失禁の治療について伺います。

Scott W. Smilen, M.D.
Christina Kwon, M.D.
New York University
School of Medicine
Dept. of Obstetrics & Gynecology
530 1st Ave., Suite 7N
(bet. 30th & 33rd St)
TEL: 212-263-0395
www.med.nyu.edu/obgyn
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