11月のトピック ◆ 足に関する悩みと病気


脚のむくみはなぜ起こるのですか?
血液は、心臓から動脈によって全身に運ばれ、静脈によって心臓に戻されます。この循環が滞り、血液(水分)が溜まった状態がむくみです。脚のむくみは主に「静脈弁の異常」と「全身性の問題」によって起こります。
脚の静脈には弁が多数あり、これらは血液の逆流を防ぎ、血液を脚から心臓に送り返す役割を担っています。静脈弁の異常とは、この弁が壊れてうまく機能しない状態です。立ち仕事や長時間座ったままの人に起こりやすい症状です。
一方、弁は正常でも、病気などのためうっ血することがあります。これが全身性の問題です。例えば、高血圧の人は心臓から送り出される血液の量(心拍出量)が多いため、下肢に血液が滞ってしまいます。飲酒後に脚がむくむのも同じ原理で、つまみを食べて体内の塩分が上昇し、さらにアルコールの作用で心拍出量が多くなるのが要因です。
病気ではありませんが、妊婦は胎児に栄養を送るため心臓の動きが活発になり、むくみやすくなります。特に妊娠後期は、胎児が静脈を圧迫し、さらに症状がひどくなります。肝・腎臓障害のある人、栄養失調気味の高齢者、心不全の人も同様です。
他に、感染症などの病気も考えられます。指で皮膚を押して跡がつかないほどパンパンに腫れた状態は要注意です。特に、傷口がなく片脚だけ腫れた場合は、深部静脈血栓症(エコノミー症候群)が疑われます。長旅、手術の後、避妊薬服用者や喫煙者などにみられ、血栓が肺に届くと命にかかわります。
むくみを避ける方法はありますか?
ふくらはぎを動かすことです。脚には皮膚に近い表在静脈と筋肉内の深部静脈があり、短い静脈でつながっています。深部静脈は主に余分な血液を「貯蔵し」、心臓に戻す働きをします。ふくらはぎは「第2の心臓」とも呼ばれ、筋肉が深部静脈を圧迫し、心臓へ血液を戻すポンプ役をしています。ポンプが上手く機能しなければ、表在静脈に血液が溜まり、静脈瘤やクモ状静脈の原因になります。
長時間座り通しの人は、30分おきに歩くか屈伸をして、ふくらはぎを動かすといいでしょう。心不全の人を除き、就寝時に枕を2つ重ねて脚を乗せ、脚を心臓より高くしてやると効果的です。全身性の問題の場合は、むくみのもとである病気や原因を改善することが先決です。
弾性ストッキングとはどんなもの?
脚全体に外部から力を加え、弁の働きを助けてやる医療用ストッキングです。日本では美脚効果が注目されていますが、本来は、むくみがひどく脚が疲れやすい人や、弁の異常が疑われる人の治療に使われます。米国では医師が患者の脚の血圧などを検査した上で、適度な圧力の製品を注文します。
※次回はスポーツジムで感染しやすい危険な菌についてです。
