5月のトピック ◆
痔の種類と治療法


なぜ痔になるのですか?
肛門に様々な負担がかかり、肛門付近の血管が圧迫されたり、うっ血したりすることによって起こります。最大の原因は、排便時のいきみです。激しくいきむ便秘と違い、下痢は問題ないと思われるかもしれませんが、下痢も長く続くと肛門や腸にストレスが生じ、痔を引き起こす可能性があります。例えば、重いものを急に持ち上げても、肛門付近に大きな負担がかかります。デスクワークをする人や運転手など、同じ姿勢で長時間座りっぱなしの人、逆に立ちっぱなしの人は、うっ血しやすいので注意が必要です。
痔は慢性疾患です。健康的な食事や運動を心がけ、便通のいい人も、実は子どもの頃の食生活や習慣に原因があり、症状が現れていることもあります。
痔は、どれも同じですか?
場所によって「内痔核(ないじかく)」、「外痔核(がいじかく)」、そして、それらの混合型に大別されます。痔核とは、直腸や肛門部にある静脈の一部が膨れ上がり、こぶ状になった状態で、いわゆる「いぼ痔」です。
痔核は、大きくなると排便時に肛門の外に飛び出る(脱出する)ことがあります。自然に元に戻ることもあれば、脱出した状態が続き、手で肛門の中に押し戻さなければならないこともあります。脱出した痔核が肛門の筋肉で締め付けられると、痔核が腫れ上がり、激痛が生じます。
内痔核とは何ですか? 症状は?
直腸と肛門の境目よりも上、つまり直腸側にできた痔核です。内痔核に最も多い症状は、排便時の出血です。通常、出血しても痛みはありません。他にも、肛門周辺の痒みや炎症が挙げられます。
痔核が肥大化すると、便を出した後に、便がまだ残っているような不快さを感じることがあります。
外痔核とは何ですか? 症状は?
内痔核とは反対に、直腸と肛門の境目よりも下の、肛門側にできた痔核です。痔に伴う痛みは、ほとんどが外痔核によるものです。
痔核に血がたまってイボになったものを、血栓性外痔核といいます。神経の走っている部分にできるため、激しい痛みを生じます。トイレでいきんだ後に、出血することもあります。
日本の文献では、いぼ痔の他に、硬い便により肛門付近が傷つく「切れ痔」と、細菌感染により肛門周囲が腫れて膿がたまる「痔ろう」の計3種類に分類することもあるようです。
どのように診断しますか?
症状を聞いてから、視診をします。肛門の出血や痛みは、大腸がんや直腸がんといった、より深刻な病気の症状である可能性もあります。そのため、症状と患者の年齢や病歴を総合的に判断し、必要に応じ大腸内視鏡検査を行い、他の病気がないかを調べます。
※次回は治療についてです。
