ニューヨーク空手交流会
空手勇者の新しい連帯 ライバル関係を超えて
「上段回し蹴り50回!」「押忍!」指導者の掛け声に、35名が一体となって応える。今月4日、空手5団体が一堂に会して行った、新年初稽古の光景だ。集まったのは、極真空手の流れをくむ「空手道本間道場」「空手道岩田道場」「新極真会ニューヨーク佐藤道場」「空手道修錬館」に加え、自己研鑽として極真空手の修行もしているという、クリス・デウェット率いる「国際沖縄剛柔流連盟」。数日前の稽古で負傷し、「けがには慣れっこですけど、稽古できないのが寂しい」と話す、岩田道場主宰の岩田洋明はあいにく見学となったが、4人の指導者と5道場の参加者たちが、1時間以上にわたって汗を流した。
直接打撃制を提唱し、「地上最強の空手道」とも呼ばれる極真空手は、創設以来、世界的な空手家も多数輩出してきた。一方、勇者多ければ争いも絶えず、大小さまざまな独立団体を創出。ニューヨーク周辺でも50団体以上が競合するという。
そんな中、「この集まりは派閥抜きです」と断言するのは、合同稽古のホストを務める本間雅彦。ミッドタウンでビジネスマンを中心に指導する佐藤哲也は、「一つの団体に固執すると、他団体への批判が先走り、技術の低下にもつながる」と警鐘を鳴らす。デウェットは「空手本来の、懐の広さを取り戻すべきだ」と話し、修錬館を主宰するミゲル・リオスも、「流派による違いは小さい。一人ひとりが自分の空手を見つけるべき。それを教えたくて、生徒を連れてきた」と、熱く語る。20〜30代の若き指導者たちは、「変革」を求めている。
そして、彼らを追うのが熱心な生徒たち。「空手が楽しくてしょうがない」と言う、本間道場の桜井良子は、週4回の稽古を欠かさない。陸上選手として、北京五輪代表候補にもなったエディー・ポッターは、リオスに弟子入りし、「空手で必ず、世界一になります」と力強く宣言。また、空手歴9年のナタリー・ブックリーは、「私は、型を重視する剛柔流専門ですが、極真の攻撃性も大事だと分かりました」と、合同稽古を通しての発見を喜ぶ。
稽古の後は、ポットラック形式での懇親会。普段会うことのない参加者同士も、話題が空手となれば、たちまち打ち解ける。「別々の団体が、いがみ合うことなく、和気あいあいとやっているなんて、かつてなかった」と話す佐藤をはじめ、指導者たちは、変革への手応えを感じている様子だった。
(文中敬称略)
2008年正月の合同初稽古をきっかけに、交流を開始。昨年4月と8月には、スパーリングも含めた技術交流セミナーも開催した。互いの団体を尊重する、友好グループを目指す。
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