ニューヨーク沖縄県人会
イチャリバ チョーデェー 出会えばみんな兄弟だ
活発な活動で知られるニューヨーク沖縄県人会。日系人会で開かれる月例集会にお邪魔した。取材者を迎えたのは、皿にたっぷり盛られた沖縄料理。「ウサガミ ソーレ(どうぞ召し上がれ)」とウチナー口(沖縄方言)ですすめられるままミミガー、チャンプルー、サーターアンダギーなどに舌鼓を打つ。いずれも会員のオバァたちの手作り。「ウリ(これ)カメー」と会員同士、盛んにはやし立てる。カメとは「食べろ」の意。「オバァたちのカメカメ攻撃は、来客を分け隔てなく料理でもてなす沖縄式の歓待です」と語るのは会長のてい子・与那覇・トゥーシー。歴史的に中国や朝鮮の影響を受け入れ、ユニークな文化を形成してきた沖縄には、21世紀に通用する国際性があるといわれている。
会の前半は、持ち寄った手料理を食べながら楽しいユンタク(お喋り)。在米49年の千代子・ダグラスと同35年の順子・ブームガードは遠方から毎月欠かさず参加する。「来米当時は、周りに日本人も少なくホームシックになりましたが、沖縄県人会と出会って救われました」「ここに来るとまるで故郷に戻ったみたい」と語るオバァたちは、肌にツヤあり血色も良く、声が大きい。
彼女たちの元気の素が伝統芸能。会が佳境に入ると三線伴奏による本格的な沖縄舞踊が始まった。最初は650年前に明の特使を迎えた首里城の女踊り。女性会員がヨツダケのリズムでたおやかに舞う姿に一同うっとり。大喝采の後は、老若会員による安里屋ユンタ。初参加の新川百香も一緒に踊った。「普段は全然意識してないけど、今日は改めて『私って沖縄人なんだ』って感激しました」と声を弾ませる。
創立は1983年。松川重一初代会長が、初期の組織作りに尽力した。「沖縄県人会は、非営利団体で会則に基づき活動しています」とトゥーシー会長。人種、宗教、貧富による差別を絶対せず、政治にも関与しないことを一貫してモットーに掲げてきたそうだ。自由と独立の哲学に共鳴する若い参加者が年々増えている。イヴァン・喜久山やヘラルド・タンはペルー生まれの沖縄系人。南米からアメリカに移住し、アイデンティティーの喪失に悩む時、ウチナ〜チムグクル(沖縄の肝心)が大きな心の支えになるという。イチャリバ チョーデェー(出会えば兄弟)の沖縄スピリッツは、世代や国境を越え、温かい連帯感を育んでいる。
(文中敬称略)
県外出身者も含め誰でも歓迎ですが、意識の高い参加者を求めています。来る5月18日には、沖縄から琉球舞踊や三線地謡のプロを招いて25周年記念祝賀会を開催。
■問い合わせ
TEL: 856-768-3009
teiko10@verizon.net(トゥーシー会長まで)