ニューヨーク岩手県人会
シャイだけど気持ち温か 豊かな自然と人材
ミッドタウンのタイ料理店「ヤムヤム・バンコック」で岩手県人会が開かれた。ちょうど旧正月にあたるこの日は、遅まきの新年会兼懇親会。小さな店に40名近くが結集した。
会の創設は今から10年前にさかのぼる。ヤオハン(当時)で開催された岩手物産展をきっかけに現会長の岩崎雄亮が呼びかけた。シャイで有名な岩手県人だが手を挙げる人は意外に多かった。「岩手の人はあまりしゃべらないんですけど、親切心と面倒見の良さでは他県にひけを取りません」と控え目に語る幹事の浅沼里香子。もう一人の幹事、佐々木まり子が「気持ちが温かいのよね」とすかさずフォロー。
岩崎会長の名調子で滑り出した会は、タイ料理のピリ辛も手伝ってか、次第に加速。店内は懐かしいお国の話とアメリカ生活情報の交換で、三陸の魚市場のようなにぎわいとなる。ニューヨーク男声合唱団の佐々木正博が、自慢のテナーで石川啄木(岩手が生んだ国民的歌人)の短歌「不来方(こずかた)の」の歌曲版を披露するや、故郷ムードは頂点に。「中学生の頃、盛岡城の石垣越しに見た青空…思い出しますね」とまぶたを潤ませるのは副会長の長谷川清。
登録会員数は若者を中心に伸び続け、46世帯を数える。最近では女性の参加が活発。クリエイティブな女性が多いという。作家や芸術家を多産する県だけに、ピアニスト、画家、ライターなど個性豊かな人材には事欠かない。
ところで、岩手の名物と言えば「椀子そば」。昨年10月、同会では花巻から職人を招待して本格的なそばの早食い競争を開催し、話題を呼んだ。その時の優勝者、荒木鉄夫(成人の部・66杯完食)、荒木ハンナ(子供の部・29杯完食)親子の姿もある。「僕は東京都出身ですが、岩手県の大ファン。家族で旅行したこともあります。椀子そば競争に勝つ自信はなかった。むしろ子供の方が健闘しました」と娘の顔をチラリ。
様々な思いの錯綜する県人会のクライマックスは、岩崎会長自らの司会で、ビンゴ大会。県の銘酒を始め、豪華賞品の争奪戦に一同大いに湧き、約3時間の集いはお開きとなった。「今後はもっと若い人に参加してもらいたい」とビンゴで枯れ気味のお声ながらメッセージを下さった岩崎会長。ご安心下さい、若者たちも口々に語ってましたよ。「まず、いがったな」「いえさいるべだったな(家にいるみたいだった)」と。
(文中敬称略)
今年は海外岩手県人会で最大のブラジル岩手県人会創立50周年式典と第2回海外岩手県人会サミットがブラジルであり、同会も参加予定。りんご狩りや、創立10周年記念式典などを企画中。
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