Ikebana Flower New York
華道とアレンジメント 融合が生む21世紀の花
アートの街ソーホー。天井の高いロフトに、イタリアの映画音楽がたおやかに流れる。時折聞こえるのは、花材を剪定するハサミの音だけ。フラワー・アートの第一人者三浦順子はここで、週一日だけお花を教えている。この日の花材はボケ、アネモネ、アイリスの3種類。ちょうど、背景も性格も違う3人の生徒が真剣なまなざしで花と対峙していた。
「うちは日本の華道と西洋のアレンジメントのフュージョン。私は表現に関しては、人一倍口うるさいのよ」と笑う指導者、三浦の目は果てしなく澄んでいる。長年ファッションの世界で活躍してきた三浦は、米国では表現やデザイン力がいかに大切かを知り尽くす。お花の表現とは、生ける人のコンセプトをいかに形にするか、にある。
芸術プロデューサーで、イタリアのミラノ出身のジョヴァンナはこの日が初体験。「母が祖国で生け花をやっていました。いつか自分も挑戦したかった。実際にやってみると本当に奥深い芸術です」。初めての剣山に苦労しながらも長方形の花器を生かした水平的なフォルムを構築。しかし、「ここは枝同士がファイトしている。(パチン!)この辺はまだブッシュよね、もっと刈り込まないと。(パチン!)」有無を言わせず入る三浦のハサミで作品はみるみるうちにアートに。「ブラーヴォ!」イタリア娘は感動で小躍りした。
一方、ニューヨーク在住4年目の主婦、三好順子は、子供の成長を機にお花を再開。「三浦先生のアレンジはダイナミックながらも日本的。他にはない、ニューヨークならではのスタイルです」。帰国後は日本でニューヨーク流のフラワー・アレンジメントを教えたいと目を輝かす。
九州から語学留学でニューヨークにやってきた堤若菜は、今日は背の高い花器で「投げ入れ」に挑んでいた。昨秋、三浦フラワーと出会って、人生の行く先が見えたと言う。何となく過ごしてきた留学生活に目標ができた。「若菜ちゃんはスジがいいから」と三浦は集中訓練中だ。
現在、日米合わせて15人が所属するが、春のロックフェラーセンター・ラン展のコンクールでは、ここの生徒が7年連続で最優秀賞を獲得している。ここから巣立ってプロのフラワーデザイナーになった人もいる。「自分で言うのもなんだけど、ウチの卒業生はスゴいわよ」。
ダイナミックで新しいニューヨーク流お花の世界は、チャレンジ精神を内に秘める人々を引き付けてやまない。
(文中敬称略)
毎週水曜午前11時半から午後9時まで開催。ワンレッスン2時間。好きな時間帯に参加可能。初心者大歓迎。アメリカ人と時には英語でお花や日本文化、そして世界のアートも語り合える。
■問い合わせ
junkom@verizon.net
/TEL: 212-255-9769
www.ikebanaflowers-ny.com
(三浦まで)