RIYO’S ミュージックサロン
欧風サロンで優雅なクラシックの夕べ
サットンプレイスの瀟酒なアパートの1室。扉を開けると、ルネッサンス時代のヨーロッパへタイムスリップしたような感覚にとらわれる。きらびやかな調度品の数々と、優雅なイブニングドレスを纏った女性たちに見とれていると、透き通ったバイオリンの音色が流れ始める。ここはリヨ・斎藤が主催する「RIYO’Sミュージックサロン」。一流アーティストの生演奏を、ヨーロッパ風のサロンでゆったりと楽しむという優雅で贅沢な集いだ。
自身もジュリアード音楽院でピアノを学んでいる斎藤。このサロンには特別の思い入れがある。「小さい頃、ピアノを習いたかったのですが、母のすすめで三味線を習ったんです。でもどうしても諦めきれなくて40代半ばからピアノを始めました。西洋音楽の歴史を勉強するにつれヨーロッパのサロンに憧れて、とうとう自分で始めてしまいました」と感慨深げに語る。
この日は世界的に活躍するバイオリニストのロスリン・ホアンとピアニストの日隈理子、メゾ・ソプラノ歌手のマレーナ・ダイエンが参加。目の前で披露される一流アーティストの演奏に、参加者からはため息が漏れた。「演奏家の息づかいまで伝わってきて、心が震えました」と感激していたのは、今回が初参加の石丸麻美。日本ではなじみのないサロンという文化を気に入った様子だ。うっとりと演奏に聞き入っていたのは、斎藤に出会って自宅でもサロンを始めたというイレイン・ウルブロム。「ここはまるでルネッサンス時代。リヨは憧れを現実のものにしたのね、本当に素敵」と絶賛した。
この日は斎藤が作曲したピアノ曲「ハナ」も初披露。三味線歴15年という斎藤らしい、繊細な旋律が会場を魅了した。「今日はエスニックな感じのサロンでした。斎藤さんの曲も日本音楽を感じさせる素晴らしいものでした」と語ったのは、斎藤の作曲の師であるルイス・フジナミ・コンティ。作曲には厳しい師も今日の初披露には合格点をつけた。
「アットホームな雰囲気なので、リラックスして演奏できました」とサロンの様子を評するのは、ピアニストの日隈理子。演奏家にとっても心地よい場所、それがこのサロンの魅力なのだ。
演奏終了後は立食のディナー。演奏家も参加し、音楽談議に花が咲いた。西洋の社交界を思わせる贅沢な時間と美味しいワインに酔いしれながら、優雅なクラシックの夕べが更けて行った。
(文中敬称略)
クラシック音楽の世界で活躍する若手アーティストを迎え、演奏とお食事を楽しむプライベート・サロン。サロンは毎年2回開催。会費無料。男性はスーツ、女性はイブニングドレスなど着用のこと。来年4月にはカーネギー・ホールのウェイル・リサイタルホールにて10回記念コンサートを予定。
rsaito@nyee.edu