大人のためのバレエクラス
バレリーナになりたい!トゥ・シューズの魔法
「プリエ、パッセ…」ピアノの旋律の合間に響く柔らかいフランス語。吹き抜けのダンスホールでは色とりどりの妖精たちが舞う。ここはニューヨークで活躍するバレエダンサー、新美由見子が指導するバレエクラス。バレエと聞くと、ふわふわのチュチュを着て舞う可憐な少女を思い浮かべるが、ここの妖精たちの多くはなんと主婦!しかし侮ることなかれ。鍛え上げられた美しい肢体としなやかな動きはまさにバレリーナそのもの。「バレエは大人になってからでも始められます。大切なのはやりたいと思った時に始めること!」と力強く語る新美。その言葉に後押しされ、教室には少女時代にバレリーナを夢見ていたという女性が続々とやってくる。
「ずっとバレエに憧れていたんです。実は娘に習わせていたんですが、我慢できなくて自分も始めちゃいました。」と語る初川江美。念願が叶ったばかりか、バレエを始めてから持病の肩こりや腰痛が嘘のように消えたという。
レッスンは柔軟体操から始まり、バーを使っての基本動作の練習へ。単純な動きだが、頭の先からつま先までピンと伸びた姿勢を保つだけでも一苦労だという。ちょっと苦しそうにバーにつかまっていたのは、バレエ歴まだ1カ月の藤岡園美。「まだ見よう見まねです」と恥ずかしげな表情を見せたが「美しいボディラインを手に入れたいです!」と意気込みは十分。
レッスン後半のステップ練習で美しいターンを決めていたダンサーのユウコは生徒たちの憧れ。ミュージカル出演経験もある彼女だが「鏡に映るレオタード姿の自分を直視すること。それが美しさの原点」と謙虚。確かに彼女たちの体はきゅっと引き締まった美しい流線型。まるで体そのものがバレエという芸術作品の一部であるかのようだ。
「運動不足解消のために始めました」と語った須田亜紀子と青木香。はじめは筋肉痛でベッドから起き上がれなかったという二人も、今では「ちょっと引き締まってきました」と効果を実感。次なる目標はターンをマスターすることだ。
「今度、念願のトゥシューズを買いに行くんです!」とレッスン後、新美に駆け寄った上辻典子。その満面の笑みは、まぎれもなくバレエ少女のものだった。仕事に家事に忙しい日々を送る女性たち。しかしバレエシューズに足を通した瞬間、彼女たちは少女へと変わる。それは日常から開放され、バレエの魔法がかかる瞬間なのだ。
(文中敬称略)
ニューヨークでバレエ、ミュージカルダンサーとして活躍する新美由見子主宰の「大人のためのバレエクラス」。レッスンは毎週火(アドバンス&ビギナー)、木、金(ビギナー)で1クラス17ドル。料金など詳細は
www.yumikoniimi.comで。秋には発表会も予定している。
連絡:
yumiko@bway.name