誠道塾
空手を通じて、人の道を学ぶ
「オス、カイチョウ!」。広々とした板の間に、中村忠が姿を見せると、練習中の門下生が次々に姿勢を正し、一礼。まさに日本の道場ばりの緊張感漂うこの空間は、フラットアイアンビルのほど近くにある誠道塾空手道場だ。
この道50年以上の中村が「理想の空手」を求めて1976年に設立し、現在、世界18カ国に道場を持つ。本部であるマンハッタン道場でも、毎日、数百人が汗を流している。
「誠道塾の理念は、空手を通して精神を鍛え、人の道を学ぶこと」と中村は話す。初心者には技よりもまず礼節を教える。試合が許可されるのは、1年から数年の基礎練習を積んだ緑帯以上で、これは忍耐力を養うため。
また、年に1度の慈善大会で集めた基金の一部を使い、身体および知的障害者への無料クラスも開催している。一般生徒は、クラスでボランティアをしたり、昇級試験などのイベントに障害者と一緒に参加することで、社会貢献の大切さを学び、周りの人々と助け合い、励まし合う喜びを実感する。「空手は、瓦を割ることや、技の優劣ではない。生きる喜びを学ぶ方法なのです」。
門下生の一人で、俳優として舞台やテレビで活躍するヨシ天尾(サムライ・ソード・ソウル)は、経験5年の黒帯。空手は「芸」としてだけでなく、「浮き沈みの激しい業界で、強い精神を保つため」に続けていると話す。また経験10年の黒帯、北林薫(三菱インターナショナル)は、二人の子供と参加。父親の姿を見て子供が「やりたい」と言い出したという。空手歴5年目の長男のマックスは、黒帯の手前の茶帯だ。「親子で同じものを共有できるのはいいですね」と北村。階級を問わず親子で参加できるクラスも開催されている。
道場では1月14日、年頭恒例の「鏡開き」が開催された。普段は階級ごとに分かれている門下生が一同に会する〝修業初め〟。300人近くが集合し、道場は熱気に包まれた。黙想に始まり、準備体操、型の練習で一汗流した後、中村が「いつも向上心を忘れず、修業に励み、それぞれの目標に向かってがんばってほしい」と講話。門下生はみな真剣な面持ちで聞き入った。最後は、全員が一列に並び一人ひとりがっちり握手。温かく、ポジティブな「気」が満ちた道場で、門下生はそれぞれの目標達成を誓い合った。
(文中敬称略)
初心者から上級者、子供からシニア向けまで、各種クラスを毎日開催。会費1カ月95ドル〜(詳細はウエブサイトで確認を)。ヨガ、ピラティス、メディテーションのクラスもあり、門下生は誰でも参加できる。
61 W. 23rd St. (bet. 5th & 6th Ave)
TEL: 212-924-0511
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