NY de きもの
大和なでしこ、ニューヨークに咲く
〝着物で楽しくお出かけを〟をテーマに活動するサークル、「NY deきもの」による「きものショー」が、毎年恒例のなかよし学園お正月フェアの出し物として今回初めて行われ、つめかけた観客を魅了。大和なでしこたちが、ニューヨークの初春に花を添えた。
合同での練習をすることなく当日を迎えた出演者一同は、手短に一通りのリハーサルこそ行なったが、この日初めて着物を着るという参加者もあり、若干の不安を残しての事実上の「ぶっつけ本番」となった。しかし幕をあけてみれば、振り袖から浴衣まで様々な和服姿で登場した12名の凛とした美しさに、超満員の客席からは感嘆がもれ、かぶりつきで見入る観客も出るほどだった。
訪問着モデルと四つ身着物モデルとして舞台に立った小松原久美子・奈那子母娘は、昨年9月以来「NY deきもの」の着付けクラスに参加。「この子の七五三用に着物を仕立てたことがきっかけ」とクラス受講の理由を語る母の久美子は、今では基本的な着付けをこなせるまでに上達した。娘の奈那子はこの日、大勢の視線を前に緊張したようすだったが、最後まで立派にモデルを務めあげた。「みんなの前でちょっと恥ずかしかったけど、楽しかった」と少し照れくさそうな表情。海外で育ちながらも日本の伝統文化に触れて満足気であった。
今や日本で生まれ育った女性でも、若い世代では「着物といえば成人式のときに着たくらい」という人がほとんど。ココ・ヒロサキもその一人。「海外生活が長くなるにつれ、日本的なものを求めるようになった」という彼女は、最近「NYdeきもの」の門を叩いたばかりだ。この日は客席からの応援となったが「見ていてかっこ良かった。母の着物が実家の箪笥の奥に眠っているので、私もなんとか自分で着付けられるようになれば」と、話した。
加えて、ショーでは「NYdeきもの」代表の羽石久美自身が鏡のない舞台上で鮮やかに着物姿に変身したり、松田しのぶによる変わり帯結びの実演も行われ、その見事な技に会場全体がまるで手品を見るかのように固唾を飲んだ。浴衣のモデルとしてショーに参加し、舞台袖から実演を見守った同会の大曲真由美も、「今まで見たこともない芸術的な帯結び」と語り、大和なでしこの「美の奥の深さ」をまた一つ体感したようだった。
(文中敬称略)
ニューヨークで着物を着て様々なイベントを楽しむことを活動趣旨とするサークル。着付け教室をはじめ、着物での食事会などを行っているが、今後はさらに三ツ星レストランのテーブルマナー講座の着物での受講、ワインテイスティング、日本酒の利き酒会なども予定されている。
連絡:haneishi@featherstonenyc.com