ハーレム・ジャパニーズ・ゴスペル・クワイア
クリスマスに向け最終調整
ハーレムの暗がり夜道、小さな教会から漏れる冷えた体を温めてくれるようなソウルフルな歌声。扉を開けると、迎えてくれたのはハーレム・ジャパニーズ・ゴスペル・クワイアの面々だ。彼らは今、クリスマスイブに行われるコンサートに向け、最終調整の真っ最中。
「たくさんの日本人に来てもらいたいですね」と話すのは松尾公子。R&Bやヒップホップなどブラック・ミュージック好きだった松尾は、4年前にクアイアと出会ってすぐ参加するようになった。
また、在籍6年と現メンバーでは古株の一人、山崎貴代はかつてバンドのボーカルだった。「メッセージ性の強い歌詞の内容にはいつも助けられる」という山崎は、今ではテレンス牧師のアシスタントとしても活躍している。
貴重な男性メンバーの水野達也は6カ月前にニューヨークへやってきたばかり。日本でもゴスペルの経験があるという水野だが、「日本では譜面通り歌うのに比べ、即興性が重視されるのがハーレム流」とその違いを語る。
「歌うことが好きだった」という明快な理由でゴスペルを始めた大野覚はもう一人の男性メンバー。「自分ではカラオケがうまくなった気がする。誰もまだほめてくれないけど」と進歩を実感。
この日の練習後は、他の教会の記念式典で特別ゲストとしてゴスペルを披露。大きな教会の厳粛な式典の雰囲気に圧倒されてか、若干緊張した面持ちでステージにあがった一同だったが、歌い始めたとたん観客の信者も立ち上がっての大盛り上がり。人種国籍を超えた一体感を感じながら「グレイト・イズ・アワ・ゴッド」など3曲を熱唱すると、スタンディングオベーションが鳴り止まなかった。
終了後、ニュージャージーから片道2時間半かけて練習に参加している佐藤美帆子は「こんなに大勢の前で歌ったのは初めて。貴重な体験に感謝!」と感想を語ると、長池那緒美も「みんな一緒に歌ってくれて、日本でビデオで見たんと同じやった!」と興奮気味。また硲口あかねは「もっと練習して良いコンサートにしたい」と、コンサートに向けても向上心を見せた。
クワイアを指導するテレンス・ケネディ牧師は「黒人特有のリズムや英語の発音には苦労しているけど、日本人らしいまじめさで乗り越えている」とメンバーを評価。「24日も大丈夫」と太鼓判を押した。
(文中敬称略)
1997結成の日本人ゴスペル合唱団。ハーレムにあるニュー・ホープ・コミュニティー教会、テレンス・ケネディ牧師の「譜面でなく耳から覚える」指導のもとに活動している。定期練習は毎週土曜日の2時から4時に同教会にて。部員18名。新メンバーも常時大募集している。現在は特に男性メンバーが不足中とのこと。
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