サーフチーム「トランキーロ」
ハリケーンを待ちわびて
「アルベルト来てるの?」
「熱帯低気圧になっちゃった」
と、浜辺で残念そうに話すのは日本人サーフチーム・トランキーロの面々だ。
海水浴シーズンのこの時期に、ビーチにハリケーンの到来を待ち望んでいるのも、彼らくらいに違いない。
この日も、薄曇りの早朝から15名ほどのメンバーがロングビーチに集合。打ち寄せる大西洋の波に挑んだ。
「水の中は胎内と同じ。だから落ち着く」とサーフィンの魅力を語るのは、理想の波を求めて世界を飛び回る旅人サーファーの北村和宏(タイコ・レストラン)。北村は、在住のニューヨークでも、ビーチから徒歩圏に家を借り、さらに職場も近所という、まさにサーフィンを中心にした暮らしをしている。
他方、午後からの休日出勤にかかわらず、華麗なボードさばきで、注目を浴びていたのは村上拓也(古本不動産)。子供時代は「授業を休んで浜に向かい、親が呼び出されたりもした」という村上だが、現在は多忙な生活とサーフィンを両立させている。
2児の父である渡辺潔にしてもそうだ。毎週子供を連れて浜に通う渡辺は、この日も長女の麻莉華ちゃんと一緒に海へ。一方、ロングビーチ最年少サーファー、長男の竜君(7歳)は、この日は「水が冷たい」と浜で留守番となった。
浜にはほかにも女性サーファーの姿があった。関早恵子と佐伯明子(Jed Root)はトランキーロが主宰するサーフィン教室の卒業生。もともとスノーボード仲間だった2人は、オフシーズンにできるスポーツをと、ボディーボードに目をつけたが、いつのまにやら板の上に立っていたというクチだ。わずか2シーズン目という彼女たちだが、男性に負けない力強いライディングを見せていた。
ニューヨークに来てサーフィンを始めた坂口雄大(ファミリーマーケット)も今年で2年目。部屋の大家がサーファーだったことが始めたきっかけだという。出会い方は人それぞれでも、一度触れると生活の一部となるまでに人を魅了するサーフィン。つくづく不思議なスポーツである。
この日、夫、宍戸賢太郎(伊勢丹)を浜で見守っていた美恵子夫人は、海から上がった宍戸に「私もそろそろ始めようかな」と入門宣言。ここでも一人、新たにサーフィンの魅力に取り憑かれ始めているようだった。
=文中敬称略
ロングアイランドのロングビーチで活動している、日本人サーフチーム。サーフトリップのほか、バーベキューや飲み会まで、「とにかく楽しむこと」を目的とした活動を展開している。将来的には、日本人によるサーフィン大会イベントを企画する予定。また、マンツーマンレッスンからグループレッスンまで、初心者にも対応したサーフィン教室も開講している。
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