NYC剣道クラブ
創立30周年大会開催、ニューヨークに侍現る
抜き取られるや否や、怪しく光りながら宙で弧を描く白刃。
NYC剣道クラブ30周年を記念する親善大会での、同クラブ会長片岡昇による居合い抜きの場面だ。会場に現れたこの本物の侍を、観客から選手、清掃員までがその手を止め、固唾をのんで見守った。
さらには、片岡が高知県の宗家から受け継いだ鎖ガマ対剣の他流試合も開催された。意気揚々と分銅を振り回す片岡を迎え撃つのは、香港からの刺客、アジアン侍の西川孝和。「秘策を練った」という西川は、両刀とも長剣という変則二刀流でこれに臨むと、分銅を放つ間を伺いながら詰め寄る片岡を、ボクシングの様な軽快なフットワークで翻弄。堂々の引き分けに持ち込み、会場を大いに沸かせた。
メインイベントとなった剣道の団体戦では、海外組のアジアン侍 とJCCC をそれぞれ準決勝で破り、NYC剣道クラブ・ブルズと剣心会Aが下馬評通りの決勝進出を果たした。
30周年の晴れの舞台を勝利で飾りたいNYC剣道クラブとニューヨーク地区初優勝を狙う剣心会。親善大会とは言え、互いに負けられない真剣勝負は、NYC剣道クラブ先鋒の韓と剣心会の山口史智による激しい打ち合いで始まった。
開始2分、「勝利を確信して行った」という山口が引き胴で先制すると、その直後にも面を決めてまずは剣心会がリード。しかし、次鋒はNYC剣道クラブの青木徹が、剣心会の龍から小手を奪って逃げ切り、タイとした。続く中堅は「叩き潰してやる!」と気合い十分のNYC剣道クラブ平田守が、剣心会のキャロルに立て続けに小手を2本奪われ、展開は錯綜。さらに副将では、今度はNYC剣道クラブ堀池淳が鮮やかな抜き胴と、その後の間髪入れない小手で「団体戦は苦手」な高瀬和之を撃沈。勝負は2対2のまま大将戦へと持ち越された。
NYC剣道クラブ李と剣心会の来住野研は、数打を仕掛けあうも互いに隙はなく、そのまま時間切れ。結局本数差により剣心会に軍配が上がり、ニューヨーク地区で初の優勝を遂げた。
閉会後は、「昨日の敵は今日の友」の言葉通り、各道場を交えた合同稽古が行われ、武士道精神溢れる一日となった。
=文中敬称略
今年で創立30周年を迎えたニューヨークにある剣道クラブ。稽古は毎週火曜日と木曜日の夜と土曜日の午後に、ジャン・ハス・プレスビテリアン教会(351 E. 74th St)5階道場にて行われており、初級、中級、上級の全てのクラスにおいて片岡昇会長の直々の指導を受けることができる。さらに、土曜日には居合道のクラスもある。見学も歓迎。
【お問い合わせ】
NYC剣道クラブ
kataokaken@earthlink.net(片岡昇会長)